「相手と呼吸を合わせる」ことが「傾聴」のはじまり
ことばと音の回転扉、それが<声>だ。声はことばとしての意味(メッセージ)を載せるが、同時にそれ自身の肌理(きめ)をもっている。その肌理が意味とは別なかたちで他者にふれる。声はいつも二重奏(デュオ)をかなでてきたのだ。 『...
ことばと音の回転扉、それが<声>だ。声はことばとしての意味(メッセージ)を載せるが、同時にそれ自身の肌理(きめ)をもっている。その肌理が意味とは別なかたちで他者にふれる。声はいつも二重奏(デュオ)をかなでてきたのだ。 『...
前回のキーワード解説は、河合さんが語る『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』の中の、「傾聴によって生じるポジティブな可能性」を紹介しました。その後で、河合さんは次のように疑問を提起しています。 さて、これほど...
今回のキーワード解説から、河合隼雄さんの『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』を取り上げます。ただし、CBLコーチング情報局は、コーチングを解説していくことが目的ですから、カウンセリングを語るわけではありませ...
人は、「聞きたい事だけを聞き、見たいものだけを見る」のが一般です。プロフェッショナルなコーチになるためには、「通常の人」がもつこの認知機能を冷静に受けとめ、これを超えていく「傾聴」のスキル修得が求められます。 「きく」に...
相手の人が話したくなる聴き方は、聴き手側の態度や姿勢が大きく影響しています。 相手にとって最も話しやすい場所、環境を選ぶ大切なことは、秘密が守れるような場所であることです。話したことが隣の人に聞こえるような状況では、本音...
人はともすれば「〇〇しなければならない」という、「ねばならない」にとらわれてしまいます。コーチングは、その本質に迫るために、この「ねばならない」から自由になり、何事も自然体で受けとめられることを目指します。ところが、この...
私たちが「きく」という言葉を口にしたり、文章の中で表現する場合、多くは「聞く」という漢字を使っています。さて、私たちは、どういう時に人の話を聞きたくなるのでしょうか?「ちょっと面白そうだな」「ためになりそうだな」などの時...
コーチングのスキル体系の中で、基本となる最も重要なスキルです。プロフェッショナルと認定されるためのコーチング資格の内容を紐解いていくためには、どうしても「技能」としての説明が求められるので、「傾聴」もスキルとして位置づけ...
事実、ひとには、それがじぶんにとって重大であればあるほど分かられてたまるかという想いがある。大事なことをようやっとぼそぼそと、あるいはとつとつと、口にしたときに、「その気持ち、分かります」などと言われれば、かえって「何が...
それがわかったのは、僕自身ときどき同じようなことをするからです。とくにインタビューをしているときには、集中して相手の言葉に耳を傾け、自分の意識の流れみたいなものを消してしまいます。そういう切り替えがうまくできないと、真剣...
「心理学と哲学は研究分野を異にする」というのが、日本のアカデミズムの捉え方(価値観?)であり、「両分野には明瞭に“境界”が存在する」という前提に立っています。ところが、このスタンスに疑問を抱く心理学者の河合隼雄さんと哲学...
(河合)それは、われわれも同じことをやっていると言ってもいいぐらいですね。私なんか実際に個人を相手にやっている。ところが、ある人からたとえば「父親を憎んでいる。だから、私の目標は刑務所を出たときに親父を殺すことだ」という...
(鷲田)修練と言っても、すごく大変だろうと想像するんですが、以前「傾聴」のトレーニングをしている方のお話をうかがったとき、やはり相手からことばが漏れてこないで、沈黙に耐えきれないで、ついその沈黙を破ることばを入れますけど...
(鷲田)先生の前で言うのもなんですけど、臨床というのはこんなに時間がかかるものかと……。(河合)時間とエネルギーと、こんなにかかるものはないでしょうね。(鷲田)前に『「聴く」ことの力(ちくま学芸文庫)』に書きましたけど、...
本書では鷲田さんと、人と人の「距離」について話し合っている。このことは、今後もう少し組織的、体系的に考えてゆかねばならぬことと思っている。あらゆる「臨床」という学問において大切になってくることで、それは人と人との間のみな...