一般の人はなぜ「傾聴」しようとしないのか?

前回のキーワード解説は、河合さんが語る『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』の中の、「傾聴によって生じるポジティブな可能性」を紹介しました。その後で、河合さんは次のように疑問を提起しています。

さて、これほどいいこと、つまり話を聴いてさえいれば可能性が生じてきて、本人が自分で解決してゆくということがあるのに、一般の人はなぜそうしないのかという疑問が起こります。(13ページ)

河合さんはその背景をさまざま詳述し、“一般の人”が「そうしない理由」を次のように分析するのです。

実際、われわれは「進歩をめざして」とか何とかいいながらも心の底ではできたものはこわしたくないと思い、ともかく事が起こらない方がいいと思っているものなのです。ですから、他人の話を際限なく聴いていると、どんなことが飛び出してくるか分からないという恐さがあります。そこで、ふつうわれわれは他人と話し合っていると、ある程度のところで片をつけたくなってきます。言い換えると、新しい可能性を殺し、それに目をつむることによって、何らかの片をつけてしまおうとするものなのです。たとえば、「世の中というものはそんなものだから、あきらめなさい」と言うことによって片をつける。あるいは話を聴いた後で、「父親が悪い」と父親に会いにゆく、そして、「やっぱり父親が悪い、あれではいくら言っても仕方がない」と言うことで片がついてしまうのです。つまり、本当の意味での解決がついていないのですが、「一応の片がつく」わけなのです。(14ページ)

カウンセリングのカウンセラー、そしてコーチングのコーチは、「対話におけるプロフェッショナル」です。つまり“一般の人”ではないのですね。
河合さんは、「カウンセリングのねらい」を次のように語ります。

カウンセリングの一番のねらいとしているところは、普通の人のするように早く片づけるのではなく、あくまでもクライエントの心の底にある可能性に注目して、それによって本人が主体的な努力によって、自分の可能性を発揮させてゆく、そのことによって問題も解決されてゆくという点にあるといえます。(16ページ)

特定のパフォーマンスの向上を願い、そのゴールに向かって力強く歩を進めていこうとしているクライアントと、カウンセリングを必要としている対象者とは、異なっているのが通常ですが、その「ねらい」については、同じ地平に立っていることを、しっかりと感じることができますね。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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