「臨床の知」は「実践の知」であるコーチングとつながっている!
「臨床の知」は、まだまだアカデミックな世界では認めら難いところがある。そんなときに、「臨床哲学」を名乗る哲学者が現れたのだから、私としては強力な援軍が出現したと思ったのである。実は、臨床教育学というのは私が言い出したのだ...
「臨床の知」は、まだまだアカデミックな世界では認めら難いところがある。そんなときに、「臨床哲学」を名乗る哲学者が現れたのだから、私としては強力な援軍が出現したと思ったのである。実は、臨床教育学というのは私が言い出したのだ...
献花の列に並び、祭壇の前まで来た時、先生の遺影がとても明るく柔らかい光で包まれているのに気づき、はっとしました。そしてすぐに、ライトが先生を照らしているのではない、先生自らが光を放っておられるのだと感じたのでした。献花を...
心がよそに行っていたら、必ず患者さんにばれる、と先生はおっしゃっています。だから患者さんたちはきっと、先生の心が間違いなく自分のすぐそばにあると、感じていたことでしょう。心理学の専門家でもない、患者でもない私がこんなこと...
先ほど、“うまいこと”が起こる、という言葉が出てきましたが、これは著作の中でも、今回の対談でも先生が使われている表現です。 今回は、カウンセリングの過程で、クライアントが問題を解決していく重要な要素に、「“偶然”というこ...
ルートさんはジャクリーヌさんのそばに静かに控えていました。インタビューにじっと耳を傾け、うなずいたり、遠くを見つめたりしながら、奥さんが言葉に詰まるとすぐさま助け舟を出します。京都で買った生八つ橋がお気に入りで、インタビ...
ルートは私が作り上げた登場人物ではありせん。私はただ、自分が書こうとしている物語の前にひざまずき、ルートという言葉をその器の中に解き放っただけです。作者の手の届かない場所でこそ、登場人物たちは成長できるのかもしれません。...
ユダヤ人中学で同級生となったアンネとジャクリーヌさんは、お互いの家に泊まり合い、秘密を分け合うかけがえのない友だちとなります。しかしアンネの隠れ家への潜行により、二人は離れ離れとなり、もう二度と会うことは叶いませんでした...
少年をルートと名づけたのは単なる行き当たりばったりに過ぎません。数学をテーマにした小説だから、何か数学の記号から名前を取ろうと、参考書をパラパラとめくり、シグマ、ログ、サイン、コサイン、タンジェント等の中から音の響きだけ...
思い切り想像の翼を飛翔させ、どんなに遠く現実から離陸したつもりでも、物語は宙にふわふわと漂う単なる妄想ではなく、根は必ず、現実を生きる人間の内面と結びついているのです。逆に、そうでなければ小説は意味を持たないでしょう。 ...
一度きりの予定であった会話を、もう少し時間をかけて幾度か積み重ね、最終的に本にまとめてみたらどうだろう、との案が出たのがどのようないきさつからであったのか、今では判然としていません。しかし、最初の対談のおり、「ではそろそ...
本来ならばこのページは、先生から発せられるもっともっとたくさんの言葉たちで埋めつくされるはずでした。それが叶わなくなり、私は白紙のページに取り残され、一人立ち尽くしているような気持ちです。尋ねたかったこと、確かめたかった...
(河合)「行けなかった」と言った時「でも行けるよ」って言うたら、行けなかった悲しみを僕は受けとめていないことになる。ごまかそうとしている。…… 『生きるとは、自分の物語をつくること』に、全部で17ほど付された「見出し」の...
(河合)……僕はこの頃よう言っているんですけど、「僕はアースされているから大丈夫」なんです。(小川)通り道になっているっていうことですか。(河合)うん、それで、最後は地球にお任せしてるってね(笑)。(小川)それは、「死ん...
(小川)新宿の街なんか歩いていて思うんですが、超高層の近代的な、一流企業が入っているようなビルもあれば、ガード下の一杯飲み屋みたいなのもある。日本は街自体にも境界線がないですよね。(河合)そうそう、日本は境界線がいろんな...
対談の途中、先生は一度、深い悲しみの表情を見せられました。御巣鷹山に墜落した日航機に、九つの男の子を一人乗せたお母さんの話が出た時でした。心弾む一人旅になるはずが、あんな悲劇に巻き込まれ、お母さんは一生拭えない罪悪感を背...