共同体感覚を育むための「結末の使用」とは?

アドラーの「目的論」は、子どもは勇気をくじかれると「不適切な4つの行動を“目標”として選ぶ」と捉えます。(『現代に生きるアドラー心理学』)
それは、(目標1)注意を得ること、(目標2)権力を求めること、(目標3)復讐を実行すること、(目標4)無気力の誇示、です。
ではなぜそれを選ぶのか? その「目的(目標)を探る方法」を3つ挙げて説明します。

目的を探る方法1
子どもが不適切な行動を行った後に何が起こるか観察する。

アドラー心理学は、不適切な行動にも目的があり、それによって起こる現象が彼らの目的である、と類推します。つまり、「周りの大人が受け取る反応」を子どもたちは求めている、ということです。

目的を探る方法2
子供の不適切な行動を大人がどう感じたかをチェックする。

子どもの行動で大人が「困った…」、あるいは「面倒を見てやらなければ…」と感じるのであれば、(目標1) の「注意を得ること」は満たされます。
大人がもっと強い反応、例えば「怒り」を覚え、それを子どもにストレートに伝えた場合、それによって子どもは、(目標2)の「権力を求める(戦い)」を選ぶ可能性が高まります。
(目標3)の「 復讐」は、それをされた大人はダメージを受けます。子供の頃の感性を忘却しがちな大人にとって「理不尽な反発」と感じ、結果として子どもは、(目標1)の「注意の獲得」につながります。
(目標4)の「無気力の誇示」は、引きこもりを想定してみてください。大人にさまざまな反応が起こることは必定ですね。

目的を探る方法3
単純に子どもの行動を糾した場合、何が起こるかを観察する。

ここでいう“単純に”糺す行為によって、子どもは少しの間、その行動を止めるでしょう。ただその後、問題行動を繰り返す場合が多いのも事実です。
問題行動は大人の関心を呼び起こします。子どもに気づきが訪れ変化が促されるには、アドラーは次のステップである「結末の使用」が重要である、といいます。

「結末の使用」とは?

「結末の使用」は、「自然の結末」「論理的結末」の2つから構成されますが、原文の直訳なので少しわかりにくいかもしれません。
「自然の結末」とは、大人があえて関与しないで、極端に言えば「様子を見る」にとどめる、ということです。「子どもが苦労しないように」「子供が病気にならないように」「子供の成績が上がるように」手を差し伸べたくなるのが「親心」ともいえますが、これが「過干渉」「甘やかし」となってしまい、子どもの“本来発揮できる力”まで削いでしまっている、とアドラーは指摘します。

とはいえ「自然の結末」で、すべてのケースが解決できるわけではありません。社会には、その構成メンバーが共同して、コンフリクトを発生させないよう形成されているルールが存在します。そこから逸脱している場合は、その大切さをしっかりと伝えるのです。「共同体感覚」です。
ただし、それは「ルールだから…」という大人目線の教示ではありません。価値観が形成されていない子どもだからこそ、論理的に紐解いていくのです。それが「論理的結末」です。

今回の解説は、大人になってしまうと忘却しがちである「子どもの目線」を取り上げました。そこにもしっかり、「コーチングの3原則」が存在していることが見て取れますね。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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