自己実現の過程で「補償」は「展望」の夢につながっていくことがある
前回の解説で、「自己実現とは、つねに発展してやまぬ過程であり、これまで営々と築き上げてきた価値観をすて去ることを本人に迫ることがある」と、説明しました。『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』の中で、河合隼雄さんは...
前回の解説で、「自己実現とは、つねに発展してやまぬ過程であり、これまで営々と築き上げてきた価値観をすて去ることを本人に迫ることがある」と、説明しました。『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』の中で、河合隼雄さんは...
「功成り名を遂げた人」が、ある日ふと、自分の人生をむなしく感じる時がある…このような表現を多く見聞きします。前回の解説は、ユングの「自我」と「自己」を、河合隼雄さんが『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』のなかで...
(河合)『博士の愛した数式』(新潮文庫)を読ませていただきました。感激しましたよ、本当に。僕、もともと数学をやっていましたからね。(小川)数学科のご出身なんですね。(河合)ええ、だから余計に思いが深かったですね。それにね...
河合隼雄さんの最晩年のエッセイ集である『大人の友情』は、コーチングを深く考えていくためのヒントが満載されています。1月19日に、この本を最初に取り上げて以降、毎日、一話ずつ解説を重ねてきましたが、12のテーマ・全46のエ...
今回の解説は、河合隼雄さんの『大人の友情』の9番目のテーマ、「友情と同性愛」の最終話である、「社会的通念の変化」を取り上げます。これまでの3つの話は、河合さんが「臨床心理学」を学ぶことで、自身の「同性愛」に対する眼差しに...
それぞれの分野において、世界的なオーソリティーとしてその名望が確立している人物を眺める際、多くの人は、その人から伝わってくる「人格」と「凄み」は、過去から持ち得ていた、と感じているのではないでしょうか。 前回の解説で、臨...
河合隼雄さんの『大人の友情』の6話目は、「認めてくれる」です。CBLコーチング情報局は。コーチングを語ることですから、このタイトルから「承認」という言葉をすぐにイメージしました。河合さんは臨床心理学者であり、カウンセラー...
河合隼雄さんのエッセイ集である『こころの処方箋』の38番目のタイトルは、「心の支えがたましいの重荷になる」です。 最初の1ページで、それまでは仕事こそ「私の生き甲斐」と言っていた、仕事をするのが面白くてたまらなかった中年...
前回まで、河合隼雄さんの学術書である『<心理療法コレクション>』の6冊を取り上げ、コーチングとかかわりの深いところを引用しつつ、解説を重ねてきました。今回から、この6冊を離れ、河合さんが書かれた一般向けの本を選び、語りを...
2009年に発刊された河合隼雄さんのアンソロジー6冊の第1巻は、1967年の諭文である『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』です。279ページ(その後283ページまで「23の注・出典」が掲載されています)のボリュ...
『<心理療法コレクションⅥ>心理療法入門』の第8章は、それぞれ独立したコラムを配置する、といった構成です。前回は「IT革命」でしたが。その次の見出しは「女性の生き方」です。とても難しいテーマですが、取り上げることにします...
今回のキーワードは、河合隼雄さんの『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』の最終第七章「自己」です。河合さんはこの章で「自己実現」について詳述しています。 自己実現は人生の究極の目的であると述べたが、これは一つの静...
フランクルは次のような言葉を残しています。 自己実現は目標として設定されるものではなく、私が人間的実存の「自己超越」と呼ぶところのものの副次的結果として生じるものなのです。(中略)自己実現の代表的主張者であるアブラハム・...
クリス・アージリスは、未成熟な人が成熟していく過程で起きる人間的な変化を「未成熟-成熟理論」として、1969年に発表しました。「ホーソン実験」のあと「科学的管理法」への疑問から生まれた代表的理論であり、その人間観に対する...
「人が行動を起こす動機(モチベーション)にはどのような背景が存在するのか?」という、動機付けの代表理論に「マズローの欲求5段階説」があります。アブラハム・マズローは、ロシア帝国内のポグロム(ユダヤ人に対し行なわれた、殺戮...