矛盾したものを持たないといかん!
(小川)新宿の街なんか歩いていて思うんですが、超高層の近代的な、一流企業が入っているようなビルもあれば、ガード下の一杯飲み屋みたいなのもある。日本は街自体にも境界線がないですよね。(河合)そうそう、日本は境界線がいろんな...
(小川)新宿の街なんか歩いていて思うんですが、超高層の近代的な、一流企業が入っているようなビルもあれば、ガード下の一杯飲み屋みたいなのもある。日本は街自体にも境界線がないですよね。(河合)そうそう、日本は境界線がいろんな...
河合隼雄さんは『<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』の中で、「分裂」という見出しを設けて、論を展開します。 境界例の人と接していると、心の分裂という方法によって自分を守っていることによく気づかされる。たとえば、はじめ...
『<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』の「古人の知恵」は、『論語』に続いて、ヒンドゥーの『四住期』を取り上げます。まずは、河合さんが学生期、家住期、林住期、遁世期の4つの期間の内容を説明する、最初の箇所のみを引用しま...
河合隼雄さんの『大人の友情』は、8番目のテーマとして「裏切り」を選択し、28話から4つのエッセイが配されました。その最初のエッセイは、太宰治の『走れメロス』を取り上げます。太宰の描く究極の「信実」を読み込み、河合さんは、...
前回の解説で、「自己実現とは、つねに発展してやまぬ過程であり、これまで営々と築き上げてきた価値観をすて去ることを本人に迫ることがある」と、説明しました。『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』の中で、河合隼雄さんは...
私たちは、何かの現象を説明する場合に、自明のごとく「近代科学のパラダイム」を用いているようです。河合隼雄さんの『<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』を読み進めていくと、「思想家としての河合さん」が現れてきます。前回の...
『<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』は「自我」について、河合隼雄さんはユングがそれに加えて「自己(self)」という概念を提示したことを解説します。 自我が確立するためには、それはそれなりに統合性を持たねばならない...
『<心理療法コレクションⅢ>生と死の接点』の「序説」で、河合さんはフロイト派のエリクソンがユングの考えを取り入れたことを語っています。 フロイト派のエリクソンがユングの考えも取り入れて、人生全体を視野に入れたライフサイク...
コーチングのキーワード、そして臨床心理学を構成する概念については、数多く取り上げてきました。「自我」というワードも頻出しています。ただし、「意識」「無意識」「気づく」などについては、詳しく解説していますが、「自我」につい...
最相葉月さんの『セラピスト』の中で、「河合隼雄は臨床心理士に向けた講演で次のように語っている」と、河合さんの次の言葉を引用しています。 私が京都大学に居た時、こんなことがありました。大学院生ですから若い独身女性、ところが...
私は、ある特定の行動に対しては、個々人とまともに対決して(confront)いこうとしている。「どうもあなたがそのようにペラペラしゃべるのは嫌です。私には、あなたは同じことを3回も4回も繰り返しているように思われます。伝...
1960年代になるとカール・ロジャーズは、セラピー、カウンセリングの枠にとどまらないテーマへの論及が増えていきます。1964年に発表された「価値に対する現代的アプローチ…成熟した人間における価値づけの過程」(『ロジャーズ...
『ロジャーズ選集~厳選33論文(上・下)』はロジャーズの理論体系を時系列で追っているわけではありません。このアンソロジー(選集)は、選者の独自な視点によって9つの章(部)がたてられ、そのカテゴリーに沿って33の論文(講演...
グリーンリーフはその著書『サーバントリーダーシップ』の中で「言語体系」について触れています。私たちは「言語」という道具を使って、その「言語」を共有するメンバーの間で情報をやりとりしています。ただしその「言語」の体系が、閉...
私たちは、過去の経験や体験に基づいて形成された「私は〇〇な人間である」という自己概念というものをもっています。 このような自己概念には、その人なりの「自尊心」も含まれています。また、自分自身についての好悪を表わしています...