コーチングの「ロジャーズは母」「アドラーは父」と呼称するのはなぜ?

「〇〇の母」、「〇〇の父」という尊称は広く使われていると判断し、CBLコーチング情報局では、ロジャーズを「コーチングの母」、アドラーを「コーチングの父」として、その業績を解説しています。なお、ヘンデルは「音楽の母」、バッハは「音楽の父」と呼称されるように、生物学的な性に関わらず、母と父が使われることもありますので、それに倣うことにしました。ある分野における先駆者、功労者にリスペクトを込めて、このように呼称されるのが一般的です。

ではなぜロジャーズが母であり、アドラーを父としたのか、逆でもよいではないか、という指摘は当然出てくると思います。これについては、心理学の分野で研究されてきた、母性原理と父性原理という概念を援用しています。

母性原理は、ユングが元型の一つであるグレートマザーとして象徴化したように「包含する」イメージです。ロジャーズは、その「包含する」の肯定面を究めた人です。クライアントを無条件に受容し、共感します。
アドラーは、劣等の概念を精緻化させました。「人は優越性を求め、権力を得ようとする」、と捉えます。それが建設的な方向に向かわないこともあるとし、そうならないよう、「強固である価値観も変化させていくことは可能だ」と考えました。そこには、自己責任、共同体感覚をベースとするアプローチが見出せます。

この母性原理、父性原理は、社会や文化的な影響との関係も指摘されます。母性原理は、集団主義や情緒的な感性として理解されることもあります。一方の父性原理は、個人主義や合理的な考えを重視するという視点です。前者は日本文化、後者はキリスト教文化圏に見られる態度として理解される向きもあるようです。
ロジャーズを「コーチングの母」、アドラーを「コーチングの父」として象徴化させているのは、このような視点を背景としています。

なお「言葉の用法」は、ともすれば独り歩きしがちです。今回の解説では、母を前に、父を後ろに並べ解説しています。世の中に氾濫するテキスト類で、その並びとなっているのはマイナーであろうという想定のもと、あえてそうしてみました。
「ダイバーシティ&インクルージョン」は、世界が共有したい(すべき)崇高な理念です。ただし、その言葉が声高に叫ばれることなく、自然体で受けとめられるには、まだまだ時間がかかりそうですね。そこには、文化的な価値観としてのジェンダーバイアスが、さまざまな局面で存在するのが見て取れるからです。
CBLコーチング情報局では、これからもロジャーズ、アドラーの両巨人も含めて、コーチングの世界観が匂いたつ人たちを語ってまいります。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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