すごいですよ。ユングは、女性がいっぱいいましたからね。
(中沢)僕は、カソリックに対しても、キリスト教全般に対しても、それを全霊をこめた信仰とすることはできないのです。むしろベルナノスのような悪を描いたカソリックの作家や、バタイユのような反カソリック思想に、親近感をおぼえるの...
(中沢)僕は、カソリックに対しても、キリスト教全般に対しても、それを全霊をこめた信仰とすることはできないのです。むしろベルナノスのような悪を描いたカソリックの作家や、バタイユのような反カソリック思想に、親近感をおぼえるの...
(中沢)僕はそれを読んで、自分の中に流れている血を、初めて確認したのです。僕の中には、悪に対する強烈な関心がある。悪は、要するに過剰にした自然なんだという意識がお祖父さんにもあったと思います。それを読んだ時、僕は、一種の...
(中沢)…… だから僕が知っているお祖父さんは、早朝五時に起きて、マラソンして、トマトに水やって、ニワトリに餌やって、それから神に祈りを捧げて、物も言わず食事して、それから診察室に行くみたいなお祖父さんだったわけです。だ...
(河合)僕は、小さい時から極端な倫理的人間だったんです。(中沢)よくわかります。(河合)二年ほど前に「源氏物語」を読んで、大感激したんだけれど、若い時に読んでたら、絶対よう読まんと思いますね。源氏に腹が立って腹が立って(...
(中沢)ナヴァホの砂絵は曼荼羅そのものです。(河合)さっき言ってた、アメリカ人のつくった箱庭にほとんど砂絵みたいな感じの、出てきます。みんな見た時にもうハッと息を吞んだけど。(中沢)ナヴァホの砂絵は主体のことを強調してる...
(中沢)……白人は自分たちのプリンシプルがインディアンのものと違うということに気づいたとき、自分たちと同じプリンシプルに彼らを変えてあげなければならないという親切心を発揮しました。教育を与えたりしてね。ところがインディア...
(河合)それは何度も出てきますね。『アメリカ・インディアンの神話…ナバホの創生物語』(大修館書店)では、男と女が喧嘩して別れて住むというわけですよね。別れて住んでもとへ帰ってくるんだけど、ほんまにただもとに帰ってくるとい...
(河合)このインディアンの話を読むと、夫婦喧嘩もなかなか面白いといって、男と女のすごい戦いがあるでしょう(笑)。(中沢)アメリカ・インディアンの神話が面白いところは、なにかの教訓があるからですよね。その教訓が、何ていうの...
「対称性人類学」とは、人間と自然、主体と客体、自己と他者といった二項対立を再考し、それらを対等で相互作用的な関係として捉え直す視点を提案する学問的アプローチです。中沢新一氏は、この考えを通じて、現代社会の分断や非対称性を...
(河合)ちょっと途中だけどね。日本のいわゆる学者というのは、イマジネーションが貧困すぎるんですよ。自分のイマジネーションを超えたらみんなフェイクと言ってる。(中沢)僕なんか終始一貫フェイクと言われ続けています(笑)。だか...
(中沢)世界中の神話を収集した本とかありますけど、僕は物足りないんです。というのは、そこに肉体性がないというのか、匂いがしないというか、土地の地形がわからなかったり、空の色がわからなかったりする。すると僕はなんかイライラ...
(河合)僕が行ったのは、東洋学研究のほうだから、むしろ心理学者じゃなくて、日本や東洋に関心のある人とかが来てたんです。すると、そこに来ている、非常に若い学生が質問してくる、僕の言ってることをよくわかっている。で、こんな若...
(中沢)…… 僕の考え方で言うと、宗教というのは、宗教として極点を登りつめたら、ナチュラル・ウィズダム(Natural Wisdom)みたいなものに向かって、自分を開いていくものだと思うのです。だから、宗教の体系とか哲学...
(中沢)仏教は、なんといっても外来宗教ですから、高度な文明圏からやってきてチベット人の土着の宗教を抑圧しちゃったわけですね。だから、ボン教徒と仏教徒の間には、今も感情的な軋轢があるんです。(中略)ボン教の中には、仏教のよ...
(河合)…… それが他の人に対しても意味のあるものとして提示できるという才能がなかったら芸術家になれないですね。やはり音楽や絵などの才能を持っていなかったらだめなわけでしょう。それを作品として表現できるテクニックを持って...