心がよそに行っていたら、必ず患者さんにばれる、と先生はおっしゃっています。だから患者さんたちはきっと、先生の心が間違いなく自分のすぐそばにあると、感じていたことでしょう。心理学の専門家でもない、患者でもない私がこんなことを書くのは見当違いもはなはだしいと、よく承知しています。ただ、私があの時感じ取った先生の雰囲気に、こちらを無防備にさせる特別な力があったことだけは間違いありません。
『生きるとは、自分の物語をつくること』の「あとがき」は、小川洋子さんが“少し長すぎる”と、枕詞を付記しているように、30ページのボリュームで書かれています。第Ⅰ部と第Ⅱ部の対話について、「コーチング解説」を終えて、「二人のルート~少し長すぎるあとがき」に取り組んだ最初は、4月24日です。そして今日は5月6日ですから、9話ほど、30ページの「あとがき」について、綴っています。
「あとがき」としては、少々長い内容ですが、CBLコーチング情報局のスタンスとしては、
当初、4~5話をイメージして書き始めています。ところが、読み込めば読み込むほど、小川さんが河合さんとの対話を振り返っている言葉の密度に、筆者は深く感応してしまい、「書きたい」意欲が衰えないのです。
河合さんは小川さんに心理療法について、さまざま語っています。ただし小川さんは、セラピーにおけるクライアントではなく、対等な対話相手であり、お二人の関係性は、まさにコーチングであることが伝わってくるのです。
前置きはこれくらいにしましょう。
冒頭の引用にある「私があの時感じ取った先生の雰囲気」は、4月18日の「河合隼雄さんのすべてを受けとめた小川さんは“新たな物語”を生み出した!」のタイトルでアップした中に、しっかり記述しています。
その瞬間、先生の顔に浮かんだ表情、思わず漏れた声、宙の一点に絞られた視線、それらに接した私は、失礼にも「先生は本物だ」と確信しました。
この箇所に接した時、筆者は「感動」しています。失礼にも「小川さんのコーチャビリティ―も本物だ」と確信しました。
そして小川さんは、河合さんの語る「患者さんの秘密は絶対対口外しない」ことについて、深く想いを巡らせます。
さて、患者の苦しみを引き受けたあと、心理療法家はそれを口外できないわけですが、その難しさがどれほどのものであるか、私には想像できません。私が体験するのはせいぜい友人から、「ここだけの話にしておいてね」と口約束させられるくらいのことで、平凡な生活を送っていると、絶対内緒にしなければならない他人の秘密に触れる機会など、案外ないものです。たとえ我慢できずつい喋ったとしても、ただそれだけのことで済んでしまいます。
それに比べ、先生が守り続けた秘密はレベルが違います。「僕はアースされているから大丈夫」とおっしゃっていますが、ひたすら口を閉ざして秘密を守るのが難しいと同じくらい、一度聞いた話を完全に忘れることもまた、できそうでできない技ではないでしょうか。
コーチング契約を結んだプロコーチも、厳格に守秘義務を履行します。ここは、普通の人になって語っている小川さん(笑)と、プロコーチは違うことを、しっかり言葉にさせていただきます。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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