異議を唱えてもリスペクトがあれば対話によって「異質の調和」が訪れる

(中沢)
ナヴァホの砂絵は曼荼羅そのものです。
(河合)
さっき言ってた、アメリカ人のつくった箱庭にほとんど砂絵みたいな感じの、出てきます。みんな見た時にもうハッと息を吞んだけど。
(中沢)
ナヴァホの砂絵は主体のことを強調してる曼荼羅です。それを見てる主体、曼荼羅を自分の中に取り入れる主体です。ナヴァホの砂絵にはこういう主体が必ず描いてあります。神話の主人公の、長い身体が。その主体の旅する魂の状態が砂絵に描かれてる。

今回は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『ブッダの夢』の第4章「アメリカ・インディアン神話の潜在力」の6番目の見出し…「ナヴァホの砂絵」は曼荼羅…を取り上げます。

曼荼羅と言えば、ユングの思想の到達点として説明されますが、話題はその方面にシフトし、日本神話にも言及され、とても深い内容が交わされます。この「砂絵」について、私が連想したのは「ナスカの地上絵」でした。つまり「ナヴァホの砂絵」は、自然の砂地に描いたものだろうと、勝手に解釈してしまったのですね。
ただ、曼荼羅はとても稠密な絵です。「ハッと息を呑むような絵が砂地に描けるの?」と、疑問を抱いたので、ネットで検索しています。そうして出てきたのが、「dish up Hamanako by gallery 蔵」の画像です。思わず「息を呑んで」しまいました。「早とちり」に反省至極です。「砂」は、描画に使用される自然素材(砂、木炭、植物の粉など)の意味でした。

この見出しの半ばあたりで、河合さんが日本神話を話題にします。興味を惹かれたのは、その見解と中沢さんの捉え方が違っているのです。珍しく河合さんが異議を唱える風です。少しハラハラします。どう展開したのかというと… 対話によって、共感が見出されるのですね。一方の意見に収斂されるのではなく、相互に深くリスペクトしている関係性が「異質の調和」につながった、と受けとめました。「コーチング思考」です。

(河合)
アメリカ・インディアンの神話を読んでるとたとえば日本神話のスサノオと比べると、相当違う感じは受けますね。
(中沢)
でもレヴィ=ストロースはおんなじだと言ってます。大泣きするシーンなんかに着目して、スサノオは南米神話とおんなじだって……。
(河合)
ああ、そういうとこを見ればね。
(中沢)
アメリカ・インディアンの神話で、乱暴者のトリックスターのような子供が、ものすごく泣きますでしょう。それで大洪水が起こったり、地震が起こる。そこに彼は注目してます。
(河合)
そういうレベルで見るとすごく似てきますよね。
(中沢)
でも河合さんが違うとおっしゃったのは別のレベルなんですね。
(河合)
やっぱりアメリカ・インディアンの話のほうが、話としての自然との密着度というのは高いからね。日本の神話は歴史が浅い。やっぱり日本の国家の成立とかそういうものとみんな関係して出てきてるから、つまり意識のほうにだいぶ依拠させられてるわけです。それを深いところまでおりて読みこむなら、すごくおんなじだと思う。

第4章はこの見出しで終わります。最後の語り合いを引用して〆ることにしましょう。

(中沢)
日本人はそういう神話をもっていたはずなのに、中世あたりで捨てちゃってきた。
(河合)
この辺で、中沢さんと二人で、捨てたものをもう一度見直す学会でもつくろうか。
(中沢)
いいですねえ。
(河合)
まともな人はお断り。
(中沢)
嘘つきよ、来いですね(笑)。
(河合)
日本フェイク学会(笑)。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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