「論理療法」のエリスも、どこか哲学者としての姿が香り立つ!?

前回のキーワード解説では『論理療法―自己説得のサイコセラピー』の中から、「主な論理的思考法」について、エリスが要約したところを引用しています。今回のキーワード解説は、その続きの紹介から始めましょう。

心を占める最大の関心事が自己の希望の達成であっても、その自己利益の追求が良識を備えたものであればなんら恥ずかしいことではない。本当の利己主義というものは、通常、アルフレッド・アドラーが社会的利益と称した内容を含んだものである。その理由は、(1)ある社会集団のなかで生きている以上、自分自身の利益追求といっても、それは当然他の集団構成員に対する一定の配慮を必然的に含んでいるからである。(2)自己利益といってもそれが非合理的な自己中心性に基づいたものでなく合理的なものであるならば、他人に対する人間的配慮や援助には一定の喜びを感じるのがふつうだからである。(292ページ)

CBLコーチング情報局のキーワード解説で、エリスを取り上げたのは、アドラーの「自己理想」からです。エリスはアドラーの影響を強く受けているのですが、それを物語るのが上記の引用です。

「自己利益の追求」「利己主義」という表現からは、ネガティブなイメージが伝わってきますが、エリスは「本当の利己主義」という言葉を用いて、アドラーの共同体感覚(≒社会的利益)との整合を語ります。
共同体感覚は、アドラーが「人が完成への目標を達成したときに得られるもの」「すべての人類の間の理想的な社会、進化の最高の実現をあらわす目標」と語る、アドラーが目指した究極の目標です。

エリスは「自己利益を追求する」ことは決して否定されるものではない、と訴えます。異質の調和です。その裏付けとしてアドラーが説く「社会的利益」を援用したのですね。

エリスの提唱した「論理療法」とは、「論理的な言葉を組み立て、対話というプロセスを経ることによって、“誤った思い込み”を解いていく」というものです。つまり合理的思考を重視しているのです。
アドラーは臨床心理学者であるものの、世界に多大な影響を与えたその実像は「哲学者」としての相貌であるといわれます。
その名称から、哲学とは一見距離がありそうにイメージされる「論理療法」も、どこか哲学的な香りが伝わってくるように感じられます。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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