河合隼雄さんの『大人の友情』の6話目は、「認めてくれる」です。
CBLコーチング情報局は。コーチングを語ることですから、このタイトルから「承認」という言葉をすぐにイメージしました。河合さんは臨床心理学者であり、カウンセラーとしての第一人者です。カウンセリングの「承認」と、コーチングの「承認」は、視点を多く共有します。さて、「友人」と「承認」はどのようにつながっていくのか… 次の言葉からこのエッセイはスタートします。
人間はなかなか一人では生きられない。孤独は恐ろしい。自分の存在を認めてくれる人がいることで、人間はどれほど安定しておられるかわからない。
「まったくその通り!」と納得できる「つかみ」の言葉を、河合さんは私たちに提供してくれました。その「存在を認めてくれる人」は果たして誰なのか、その人とは…
「社会に出るまでに、ごく当たり前に交流を深めた人たち」、つまり「幼なじみ」であり、世間で「認められる」ために必要と考えられている、地位、財産、名声などに関係なく、お互いに存在を認め合っている関係性である、と河合さんは語りを始めます。「竹馬の友」がイメージされます。ちょっと古い表現ですが(笑)
「幼なじみ」の友人の強いところは、ここである。世間の評価とか、利害と関係なく、お互いに「存在を認めあっている」。しかも、このことを確かめるために、会うと昔話をすることが特徴である。あのときに、あんなことをした、こんなことをした、に始まって、小学校の同級生のことをいろいろと思い出して話をする。お茶とお菓子のときもあるし、食事をしながら、酒を飲みながら。こんな話をしていると、心が温まってくる。友達はいいなあ、と感じる。お互いに共有するものを確かめあいながら、その存在を認めあうものなのである。
CBLコーチング情報局は、経営層をクライアントとするエグゼクティブコーチングについて、多くの紙幅をとっています。
コーチングとは、「自己実現」を果たそうとするクライアントに伴走することです。臨床心理学者の河合隼雄さんは、「自己実現は、危険と苦しみを伴う」と言います。特に会社を切り盛りし、成功も経験している経営層が、「真の自己実現」を目指そうとした場合、その危険と苦しみは、さらに高まります。つまり、常に裃を纏ってきた人生であり、その裃を脱ごうと思っても、その裃は「鉄の鎧」と化しており、自分の力ではなかなか脱ぐことが出来ないのです。
エグゼクティブコーチは、鎧を纏う経営層に「この人って、まるで幼なじみのような感覚で接することができる」と、いつの間にか思わせてしまう能力を有する専門職であることを、お伝えしておきましょう。
人間が社会のなかで生きてゆくためには、それ相応の「衣服」をまとっていなくてはならない。衣服というよりも「鎧」と言うべきだと思うこともある。それぞれ地位や役割があって、それにふさわしい行動をしなくてはならない。しかし、友人の間では、「鎧を脱いで」も大丈夫だ。そんなことで守られなくとも、お互いに共有するものが支えとなり、安心できる。ほっとしたり、慰められたりするのである。
「コーチングは未来志向」であり、「目的と理想を思い描くこと」が大切である、と語ってきました。ただ河合さんがこのエッセイの〆として綴る4行に、さらなる深みを感じています。
「目的ありき」「理想ありき」に囚われることなく、それを超えたところで、「本当の目的」「本当の理想」である「未来」が見えてくる、と河合さんは語っているようです。
友情を支える互いに共有するものが、目的や理想でないとすると、それは「生きていること」とでも言いたくなってくる。「お前も生きているのか、俺も」と言いたいような感じ。「お互い、生きててよかったな」というものが伝わってくる。こうなると、目は未来へも向かうだろう。別に共同で仕事をする必要はない。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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