今回のキーワードは、河合隼雄さんの『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』の142ページから始まる、第五章「夢分析」です。まずは、力がこもったその導入を紹介しましょう。
今まで第一章から第四章までながながと述べてきたことは、いってみれば、この危険な夢分析の領域に入っていくための準備であったとさえみられるもので、これまでの章を読みとおしてこられた読者の方は、それらを手がかりとして、「馬鹿くさい」と感じたりすることなく、この章を理解して下さるものと思う。
この第五章を読むと、河合さんの語る意味がしっかり伝わってきます。ただし、「馬鹿くさいと思わないで」と、読者にパーミッションしているように、ユングの「夢分析」が広く「理論としてオーソライズ」されている、という前提で河合さんが語っているわけではありません。もっとも、現時点の科学では、まだ解明しきれていない「無意識」そして「夢」に関して、最高度の知性をもって、それが「腑に落ちる…」と、私たちに提示してくれたのは、ユングであり、そのことを「日本文化」の視点も包摂し、私たちに「わかりやすく」紐解いてくれたのが河合さんです。
今回のキーワード解説は「夢とは何か?」が、少しでもイメージできるよう、河合さんの語りをいくつかピックアップしてみます。
夢はわれわれの生活に対して、大きい意義をもっている。簡単にいえば、夢はそのときの意識に対する無意識の状態が何らかの心象によって表現した自画像であるともいうことができる。(148ページ)
意識と無意識の相互作用の結果としての夢が建設的な役割を持つことを、非常に端的に示すのは、夢による創作や発見の例であろう。(150ページ)
夢の材料、あるいは源泉といわれるものについては、フロイトが、『夢判断』のなかに相当詳細に述べているし、ユングにもまとまった考察がある。外界からの刺激、身体感覚、心理的経験、意識的には忘却しているが潜在記憶として残っているもの、などがあげられる。(152ページ)
上記の3つは「1 夢の意義」なかから引用しています。続いて河合さんは、157ページからの「2 夢の機能」で、6つの項目それぞれを詳述します。列挙してみましょう。
単純な補償
これは意識の態度を補償したり、あるいは意識的な体験のたらないところ、未完のところを補うような夢で、比較的わかりやすい。自分の知能を過小評価しているときに、「知能検査を受けて高い知能指数が出て驚いている」夢を見た場合などである。
展望的な夢(prospective dream)
夢が単純な補償の域を超え、遠い将来への一つのプランのような意味を持って現れるもので、通俗的にいわれるビジョンという言葉がこれに当てはまるだろう。
逆補償(reductive or negatively compensating)
これは否定的な補償とでもいえるもので、意識の態度を引き下げようとするものである。意識の態度があまりにも良すぎたり、高くなりすぎたりしているとき、それを下に下げようとするような機能を夢が示すわけである。
無意識の心的過程の描写
夢は意識と無意識の相互作用のうちに形成されると述べたが、無意識の心的過程のほうが強烈な場合は、意識に対する補償性という点を認めることができず、無意識過程の自発的発現と考えられるのがある。
予知夢(telepathic dream)
夢が予見的な意味を持つことは、すでに例をあげて述べてきたが、まったく細部に至るまで予見的な夢も存在する。
反復夢(repetition dream)
現実場面でのことがそのまま夢に反復される場合がある。しかし、この場合、よく注意すると実際に現実にあったこととは少し異なる部分があり、その異なった部分に注意して考えると、補償夢であることがわかることが多い。
この第五章は、「3 夢の構造」「4 夢分析の実際」「5 死と再生のモチーフ」と続き、全七章のなかでもっともボリュームを割いています。
予知夢を見ることのない人でも、「I have a dream!」を心に秘めて、そしてコーチングによって、クライアントとコーチが「夢」を語り合う… そのようなセッションができれば、まさに「夢」が広がり、ゴールへの道筋がしっかりイメージできそうですね。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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