カウンセラーである河合隼雄さんは、『<心理療法コレクションⅣ>心理療法序説』の中で、「カウンセリングかぶれ」について触れ、「教育」の場で起こりがちな事例を語ります。
教師がいわゆるカウンセリングかぶれになると、教育の場において、まったくの自由を生徒に与えるべきだと考えたり、絶対教えないことをモットーにしたりして、生徒の「自主性」を尊重する教育であると言ったりするが、それも好ましくない。心理療法の場面は、時間や場所などというはっきりとした枠をもち、その枠内での自由が許されることに意味がある。人間は自由の恩恵にあずかろうとするときは、そこに何らかの枠がないと駄目なのである。枠のない自由は人間を深い不安に陥れたり、無意識に自分を縛る枠をつくったりして、意味のある結果は得られないのである。(88ページ)
CBLコーチング情報局では、コーチングとカウンセリングの違いを表にしています。その大きな違いは、クライアントである対象者の違いです。コーチングが「自ら設定した目標、ゴールの達成に向けて頑張ろうとしている人」であるのに対し、カウンセリングは「精神的・心理的な悩みを抱えている人」となります。
ここで河合さんは、カウンセリングを表面的なイメージだけでとらえ、「かぶれてしまった」人が、それを「教育」に“勘違いして”使ってしまう典型例を紹介します。
河合さんのスタンスは明快です。「AかBか?」「白か黒か?」という二分法で捉えません。コーチの私たちも、留意することが求められます。
また、学校でいろいろ教えることがあるのは当然で、実のところ、心理療法場面においても「教える」ことが必要なときもあるのだ。心理療法は根本的には「育つ」ことに焦点を当てているが、ある程度の段階に達すると、治療者は「教える」ことが必要となることもある。(89ページ)
心理療法(カウンセリング)のシーンで、何を「教える」のか? 興味を覚えますね。河合さんは、精神的・心理的な悩みを抱えている人に限定されない、現代の状況によって生み出された「教育環境」に拡大してコメントを続けます。それは「常識」です。
特に最近では家庭教育があまり行われなくなったり、地域社会のもつ教育機能も弱くなっているので、「常識」を知らない若者が多い。大学ではそれらの「教育」はクラブの先輩によって行われることが多く、時にそれは相当歪んだものとなっている。このようなことのため、心理療法家が「常識」の教育をしなくてはならないのである。このことはすべて常識によって判断すべきだと言っているのではなく、一応の知識を知っていてこそ、個人の独自判断というものが生かされてくることが多いと思うからである。心理療法家だからといって常識的な生き方をするべきだなどということもないが、やはり、常識というものをよく知っている必要はあるだろう。(89ページ)
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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