「あるがまま」を描く「ゲシュタルトの祈り」とは?

ゲシュタルト療法―その理論と実際』の中に次のような一節があります。

今回、私はゲシュタルト療法の、いわゆる究極の目標ともいえるところから始めたい。つまり、「ゲシュタルトの祈り」をやりたいと思うのである。先ず、皆さんに私が「祈り」を唱えたすぐ後から、私の真似をして復唱していただきたい。そしてその後、夫婦でご参加の方がこの祈りの文章を使って何ができるのか見てみたいと思う。さて、「ゲシュタルトの祈り」というのは、こんな風である。
(パールズ)
私は私、
(グループ)
私は私、
(パールズ)
あなたはあなた、
(グループ)
あなたはあなた、

「ゲシュタルトの祈り」と、グーグル検索に入力すると、膨大な内容がヒットします。「ゲシュタルト療法の究極の目標」と語る「祈り」と題するこの詩を、パールズはワークの際唱導し、参加者に復唱してもらうことを好みました。「あるがまま」が自然に伝わってきます。全容を紹介します。

私は私、あなたはあなた。
私がこの世に生きているのは、あなたの期待に応えるためではない。
また、あなたがこの世に生きているのは、私の期待に応えるためではない。
私は私です。あなたはあなたです。
もしも縁があって、私たちが出会えたのならそれは素晴らしいこと。
たとえ出会えなくても、それもまた同じように素晴らしいこと。

冒頭の引用でパールズは、「その後、夫婦でご参加の方がこの祈りの文章を使って何ができるのか見てみたい」と言っています。実際のワークで、ドンとクレア夫婦がこの詩の後、対話を始めます。しばらくの間、パールズを含めた皆が観察し、程よいタイミングでパールズがフィードバックします。

(パールズ)
いやぁ、なるほど。さて、人がノンバーバルレベルで行うところの行動は、潜在的にか顕在的にか、大抵その行動者自身の心の状態を物語っています。例えば、彼が、自分をつねるということは、彼がクレアをつねりたいという欲求を持っていることを意味します。(間)我々は、普通、他者にやりたいと思うことを自分自身にやっているのです。ですから、どうぞ試しにクレアをつねってみてください。
(ドン)
(笑いながら、かがみこみ、クレアの脚をつねる)今のはやさしかったかな。(笑い声)パールズ先生がおっしゃることは、たぶん当たっていると思います。というのは、……えーと、丁度ここに来る前に、君にあの夢のことを話すべきだ、って言っておいただろう。
(クレア)
あなた、私に強制したわ。
(ドン)
そう、強制していたな。ところで、君がしたことは、僕には関係ないな。僕にも夢があるんだもの。
(クレア)
そうね。
(パールズ)
人の表情も重要なノンバーバルな表現です。皆さんは、今、クレアが始終しかめっつらしていて、ドンの方はといえば、始終、真面目な教授のような顔つきをしているのにお気づきだと思います。では、お互いの顔つきについて、しばらくの間、話し合ってみませんか。何をごらんになるのかしら。何が観察されますか。
(ドン)
うん、僕は君の顔、好きだな。でもよく笑うな。君のその笑いは、内面の不安の現れだと思うよ。君は、笑いでもって何かを隠そうとしている。
(パールズ)
ドンはクレアのことを解釈しています。
(クレア)
そう、その通りよ……。
(パールズ)
そして、解釈というのは、妨げになります。相手に、こちらが思っていることや感じていることを話してしまっています。つまり、相手が自分で自分を発見する機会を奪ってしまっているのです。
(クレア)
えー、その通りですね。私、あの、私、笑うことによって感情を隠しているの。あの、私、人を傷つけたくないわ。私、正直すぎるのかもしれない。(ほほえむ)そう、そうなのよ。あの、あなたって、とても堅実で正直で、ちょっと詮索的だと思うわ。
(パールズ)
あなたは、彼を傷つけたくないのですね。どれほど彼を傷つけたくないのか、彼に言ってみてごらんになりませんか。例えば、これこれこんな風に、あなたを傷つけたくないの……と。
(クレア)
えー、正直になることによってかしら。(笑い声)私が彼に頼りすぎていることや、あのー、彼が誰にもあげたくないものを欲しがったりして……。
(パールズ)
ほら、しかめっつらをやめたら、彼女って、本当に美しいですね。
(ドン)
(間)君ってきれいだ。

セッションはまだまだ続きます。パールズが著した『ゲシュタルト療法』には、このような具体的なセッション、ワークがふんだんに盛り込まれています。
このドンとクレア夫婦の事例は、163ページから168ページまで、その後で、ラスとペニー夫婦、ビルとアン夫婦を交え、176ページまで逐語訳で描かれます。

パールズのゲシュタルト療法が臨場感をもって伝わるよう、その“ほんの一部”を紹介してみました。実に示唆に富むセッションです。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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