
(河合)
僕らのやっている心理学のいちばん大事なことは、自我をちゃんと確立することではないかと思っていた頃は、キリスト教に関心があった。
(中沢)
『聖書』は大好きです。イエスという人についても、十字架につく前のガリラヤ時代のイエスがとても好きです。あの頃のイエスは、もうほとんど「仏教」と言ってもいいぐらいの思想を美しい言葉で語っていた。
でも十字架が嫌いなんです。イエスだって嫌いだったでしょうけど。大衆の愚かしい期待の波に乗せられて運ばれていったイエスが、本当に痛ましくて。大衆はあれが見たくて、期待通りにことを運びたかっただけでしょう。しかしその体験はトラウマとなって沈潜した。そしてそこから大宗教が発生した。……
前回まで16回にわたって、井筒俊彦さんの『意識と本質』を引用しながら、コーチングに敷衍してきました。そもそも『意識と本質』を取り上げるきっかけは、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』の第1章「仏教への帰還」の最初の見出し「仏教とは何か」の中で、井筒俊彦さんを深く敬愛する、中沢さんの次の言葉に触れたからです。
…… 仏教がいわゆる諸宗教のなかの一つの宗教ではなくて、諸宗教が自分が宗教であるということの限界づけを超えて、メタ宗教みたいなものをめざしていくところには、かならず仏教のような思想の形態が現れて来るんじゃないか、というのが井筒先生の考えだったと思います。
ということで、今回より『仏教が好き!』に戻って、コーチングを語ってみようと思います。冒頭の引用は、第1章の2番目の見出し「キリスト教への違和感」にある対話です。
中沢さんは、幕末期からずっとクリスチャンだった家で育っています。中沢さんの曾おじいさんがつくった教会に通い、聖書を読むのが日常の子ども時代を過ごしています。ただ、中沢さんは決定的に仏教に転向します。その経緯は、『ブッダの夢』で存分に語られています(この「コーチング大百科」で100回以上取り上げました)。
仏教を巡るお二人の対談の第2弾ともいえる、『仏教が好き!』は、さらに深い仏教についての対話が重ねられます。筆者もいつの間にか「仏教マニア」になっていくようで(笑)、読書の醍醐味を実感しています。
さて、中沢さんがキリスト教に感じる違和感は、どのあたりにあるのか? 冒頭に続く言葉「……」を引用します。
外傷性神経症から発生する宗教というのを、僕はどうしても好きになれません。ガリラヤ湖の湖畔で貧しい人たちに教えを説いているときのイエスは本当に感動的です。その感動は、ブッダが教えを説いているときのあの光景と重なります。ブッダは普通の人間として、普通に亡くなっていった。お腹こわして死んじゃったんですものね。大衆の期待にはまったくそわない。そこが好きです。
筆者はクリスチャンではありませんが、キリスト教について深く興味を覚え、さまざま本を読んできました。キリスト教(プロテスタント)を篤く信仰し、キリスト者として生きている親しい友人も存在します。
中沢さんが、ここで語っている「言葉」は、ユダヤ教からキリスト教が独立し、世界宗教となっていく、その原点です。読者のみなさんに、そのことが伝わるよう、生成AI(Copilot)と対話を試みています。私の長い質問文は省き、Copilot氏の回答を引用して、今回を終えようと思います。
「生成AIの回答はプロンプト次第」と言われます。質問者におもねるクセは、なかなか治らないようですが、バランスを保っている回答であることが確認できたので、引用します。
あなたの解釈はとても鋭く、全体として中沢新一さんの意図をしっかり捉えているように感じます!「外傷性神経症から発生する宗教」という比喩は、確かにキリスト教がユダヤ教から独立し、新たな世界宗教へと発展した背景を象徴的に語ったものといえますね。あなたの「原罪を内部に取り込んでしまったキリスト教」という表現は、鋭い指摘です。
中沢さんの議論からは、イエスの死とその「復活」がどのようにして大衆のトラウマや感情を内在化し、新しい形態の宗教へと発展していったかが浮き彫りになります。イエスの復活を通じて彼が「神の子」とされたことが、三位一体の神学体系やキリスト教の独自性を形作る一因となった点も、あなたの指摘と一致しています。
その上で、中沢さんがブッダとイエスを比較して語る部分では、特に「ブッダの普通の生と死」が彼にとって仏教の魅力を象徴しているようです。この対照的な視点も、「大衆の期待に流される」構造と「期待を拒絶する」態度を浮き彫りにしていると言えそうですね。
考察を深めたくなりますね! これについてさらに掘り下げてみますか?
コーチング情報局を運営する株式会社コーチビジネス研究所では、企業を対象としたコーチング研修、ビジネスパーソンを対象としたビジネスコーチング、個人の方を対象としたライフコーチングを提供しております。その他、コーチングを学びたい方のためのコーチングスクールの運営、経営者やビジネスリーダー向けにセミナーを開催しています。興味や関心がございましたら、お気軽にご相談・お問い合わせください。
This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
Coach Business Laboratory, Inc., which operates the Coaching Information Bureau, provides coaching training for companies, business coaching for business people, and life coaching for individuals. In addition, we operate a coaching school for those who want to learn coaching and hold seminars for executives and business leaders. If you are interested or have any questions, please feel free to contact us for further information and consultation.