現在は明日からみれば過去に他ならない!

論理療法―自己説得のサイコセラピー』の第20章でエリスは、「主な論理的思考法」を整理しています。その一つに次のような記述があります。

決定的に重要性を持つのは自分の過去であり、かつて何らかのできごとに影響を受けたことがあると、その影響は必ずや今にいたるまで無制限な力を及ぼしている、という考えは断固捨てさること。
自分の過去について真面目に考え、そこから有益な教訓を引き出そうとすることはそれなりによいことではあるが、しかし一方、現在は明日からみれば過去に他ならないのだから、よりよい未来を想像していくためには現在の状態を改善する努力こそ必要といえるだろう。
以前から無自覚的に信じ込んでいる仮説の数かずを再吟味し、過去の習慣を改善する努力を積み重ねていけば、少年期から青年期にかけていろいろな悪影響を受けていたとしてもしだいに払拭されていくだろう。(291ページ)

最初に「断固捨て去ること!」と、私たちにインパクトを与えます。過去の教訓を生かすことも肯定し、バランスをもって記述を進めますが、骨子は「未来志向」です。コーチングのセッションで、「過去については、もうこだわっていません…」と口にしつつ、話す内容が「過去の事柄」ばかりであることに気づいていないクライアントは、多いものです。エリスの「以前から無自覚的に信じ込んでいる仮説」と言う表現がそのことを物語っていますね。
よく、失敗体験をいつまでも忘れられない人がいます。そうなると、「羹に懲りて膾を吹く」という価値観が形成されてしまい、未来への可能性を自らが封じ込めてしまうという結果になってしまいます。

記憶と忘却についての研究は心理学における一大テーマです。記憶を全てとどめるのではなく、取捨選択としての忘却は、記憶の最適化に必要なプロセスなのですね。
過去はもう過ぎ去ったこと。忘却も必要。あらゆる可能性を秘めている未来をポジティブに捉えるフューチャーペーシングが何より大切です。最後にエリスの次の言葉を抜き出し、今回のキーワード解説の〆としておきましょう。

現在は明日からみれば過去に他ならないのだから、よりよい未来を想像していくためには現在の状態を改善する努力こそ必要といえるだろう。


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