ユングの代表的業績の一つに「タイプ論」があります。敬愛していたフロイトから、まずアドラーが分かれ、その後で自分もフロイトから袂を分かち、それぞれ異なる学説を提起することになったのか… ユングは考えました。そしてユングは、そうなってしまうのは「人間の類型、タイプの違い」の差によるものだという結論に達します。今回のキーワード解説は「ユングのタイプ論」を紹介します。
ただし、このタイプ論は難解で、さまざま解説したものがあるのですが、解読するのが困難なテーマでもあります。その中で河合隼雄さんによる『<心理療法コレクションⅥ>心理療法入門』の紐解きが、分かりやすいので紹介することにします。
性(セックス)を人間のこころにとって重要なものと考え、個人の人間関係に注目するフロイトに対して、人間のこころのなかの力への意志を重要視し、劣等感に注目するアドラーがいる。そして、両者はそれぞれ自分の正しさを主張しているが、これは、言うなればどちらも正しく、ただ人間に対するものの見方が基本的に異なるためだとユングは考えた。そして、個人の興味や関心が外へと向かう「外向」、内へと向かう「内向」という類型を考え、フロイトの学説を外向型、アドラーの考えを内向型と考えた。(178ページ)
内向・外向については、人口に膾炙していることもあり、違和感なく伝わってきます。ユングはそれに加えて、思考、感情、感覚、直感の4つの心的機能を組み合わせます。つまり8通りのタイプが生まれるのですが、ここから少々わかりにくくなります。河合さんは、そのあたりを端的に説明してくれます。
ユングは、すでに述べた外向・内向という基本的態度の分類に加えて、心的機能として、思考、感情、感覚、直感の四つを考える。それらは図示したように直交する軸によって示され、思考と感情は対立し、感覚と直感も対立している。ものごとに対して、思考型の人は、すぐに「なぜか」と考え、正しいとか誤りとかを判断するのに対し、感情型の人は自分の感情に従って、好き、嫌い、美しい、醜いなどと判断する。これに対し、感覚と直感は、判断抜きで「そうだ」と認識するのだが、感覚は、まさに五感を通じての認識であるのに対して、直感は五感によるものではなく、可能性や潜在性を判断抜きで直覚する。
思考型の人は感情が劣等機能になり、その逆も真である。感覚と直感も互いに優位、劣等の関係にある。これに、外向・内向をつけ加えると、外向的思考型、内向的思考型、というように八つの類型が考えられる。外向的思考型の典型がダーウィンとすれば、内向的思考型の典型はカントということになろうか。このような類型は、生得的なものとユングは考えている。(179ページ)
性格類型論については多くの「学派」が手掛けており、アドラー心理学も「ライフスタイル」という視点で発表しています。
ユングについては、その寄って立つ基盤を「相補性」として、キーワード解説で取り上げています。この「タイプ論」からも、それが伝わってくる河合さんのコメントを最後に引用しておきます。
類型の考えは、夫婦関係を考えるときにも、便利な指針となることがある。内向・外向、あるいは心的機能の場合も、常に対極との相補関係が見られる。したがって、夫婦の場合は互いに他を補償する働きが生じ、自分とは対極になる相手を選んでいることが多い。夫婦が協調して仕事に取り組んでいるときは、両者が相補的に補完し合ってうまく機能する。(181ページ)
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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