『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』の最終である第8章で、河合さんは「待つ才能」を語ります。
待つことができる。もう皆がだめだ、だめだから何とかしなければならないと思っているときに、いや、何とかなるかもしれないと思って待っているわけです。そうして、単に待っているだけでなくて、でてきたものが一見悪くみえるものでも平気で、「何とかなるかな」と思ってみることができる。(中略)
つまり、要するに簡単に評価をしないし、簡単に方向づけもしない。これは、要するに経験の少ない人ほど早いこと方向づけようとして、「これは嫁と姑の問題だ。だから姑が変わらないとだめだ」とか、「嫁が変わらないとだめだ」と思い込んでしまう。ところが、実際は、経験をつんだ人でしたら、「そういうふうにみえるけれども違うかもしれない」と思って待つことができるわけです。ここに可能性への信頼は、待つことだといえます。(266ページ)
「経験の少ない人ほど早いこと方向づけようとして…」という言葉に注目です。ここではカウンセラーのことを言っているのですが、コーチングのコーチにとっても、全く同様です。数多くのコーチングセッションを経験する過程で、「待つこと」の重要性が実感されるようになります。
そして河合さんは「才能」というワードを用いています。才能とは「他者がなかなかできないことをその人は自然体でやることができる」と、説明できそうです。すなわち「がんばってやっている」こととは違います。
クライアントがコーチの質問に、答えあぐねてしまい沈黙します。なかなか言葉が返ってきません。そのような状況でも経験を積んだプロコーチは、柔らかな表情で静かにクライアントを見守ります。真剣に考えているクライアントは、目の前にコーチがいることを忘れてしまうかもしれません。むしろコーチの存在が目の前から消えてしまうくらいクライアントが集中している状況となったとき、クライアントに「真の気づき」が訪れる可能性は高まるのです。
河合さんは「待つ才能」を、コンステレイティング・パワー(Constellating Power)と名付けます。
これは、何かそこに新しいものを生み出す力をもっているわけで、それは、しかも自分が生み出すのではなくて、クライエントの心のなかに新しいものが生まれてくる。そういうものをつくりだしてくるような力なのです。(265ページ)
コーチング情報局を運営する株式会社コーチビジネス研究所では、企業を対象としたコーチング研修、ビジネスパーソンを対象としたビジネスコーチング、個人の方を対象としたライフコーチングを提供しております。その他、コーチングを学びたい方のためのコーチングスクールの運営、経営者やビジネスリーダー向けにセミナーを開催しています。興味や関心がございましたら、お気軽にご相談・お問い合わせください。
This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
Coach Business Laboratory, Inc., which operates the Coaching Information Bureau, provides coaching training for companies, business coaching for business people, and life coaching for individuals. In addition, we operate a coaching school for those who want to learn coaching and hold seminars for executives and business leaders. If you are interested or have any questions, please feel free to contact us for further information and consultation.