経営者にとって「経営理念」は“怖い言葉”…!?

稲盛和夫さんによるJALの再建は、その核に「新JALグループ経営理念」の存在がありました。さて、この「経営理念」は、JALの再建のために生み出されたのでしょうか?

実は、そうではありません。稲盛さんが「京都セラミックス」を創業して3年が経った頃、高卒の10名の従業員たちが、稲盛さんに団体交渉を申し入れてきた1960年代の前半に、その源流が見出せます。

その社員たちは、「できたばかりの会社だと不安でたまらない。暮れのボーナスはいくらくれるのか。来年の昇給はどうなるのか。向こう5年くらい保証してくれないなら自分たちは会社を辞める」と言います。
稲盛さんは『京セラフィロソフィ』の中で、その時の思いを次のように語っています。

そこで私は、技術者としてのロマンを捨て、会社の目的・理念(経営理念)を「全従業員の物心両面の幸せを追求すると同時に、人類、社会の進歩発展に貢献する」というものに変えました。つまり、稲盛和夫が技術者として、また、大株主として成功するのが目的ではなく、「全従業員の物心両面の幸せを追求する」ことを目的としてこの会社を運営するのだとしたわけです。しかし、それでは従業員の幸せだけを追求するようにもとられかねないので、「人類、社会の進歩発展に貢献すること」ともうたったのです。

「JALフィロソフィ」は、経営破綻から1年経った2011年1月19日に発表されています。その内容は、稲盛さんが半世紀前に考え、自らを律する宣言ともいえる「経営理念」そのままです。つまり、稲盛さんの人生とは、自分に約束した原理原則を、ブレることなく追求し続けてきた半世紀だったと言えるのではないでしょうか。

「経営理念」そのものは「言葉」にすぎません。極論すれば、どのような会社も稲盛さんが考えた「言葉」を「経営理念」として掲げることは可能です。
ではその会社は、その「経営理念」を実践し、目に見える成果を出し続けることができるでしょうか?

「経営理念」は経営者にとって、とても“怖い言葉”なのです。自分の生きざまが丸裸にされ審判されるということを、経営者はしっかりと受けとめる必要があります。

今回のキーワード解説は少し力が入ってしまいました。
誰もが稲盛さんになれるわけではありません。ただ、「稲盛さんの志」に共感することはできます。そのうえで、“その場所”に少しでも近づけるよう自問自答し、出来ることを一歩ずつ重ねていくことが経営者には求められるのです。

エグゼクティブコーチは、その経営者とともに伴走する存在であることを、今回のキーワード解説の最後に添えておきます。


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