カウンセリングは精神的病の状態にある患者を、健常な状態に引き上げる治療が中心となります。したがってその技法を、パフォーマンスの向上を願う健常な人とのセッションであるコーチングに、直接適応するには無理が生じます。ただしカウンセリングにも、その人間観が現代のコーチングの概念形成に多大な影響を及ぼしている理論が見出せます。
カール・ロジャーズが提唱した「来談者中心療法」はその代表であり、「有機体である人が持つ自らを向上させようとする本源的な力」の存在に着目します。フロイトの精神分析(1900年~)を源流とする人間観とは対照をなす捉え方であり、1950年代以降、ロジャーズのこの「人間性心理学」が、世界のカウンセリングにおける一つの主流となっていきます。
1982年のアメリカ心理学会によるアンケート調査「もっとも影響力のある10人の心理療法家」で、ロジャーズは第1位に選ばれるのです。
今日、カウンセリングにおける対象者を「クライアント」と呼称するのが一般的ですが、この呼び方はロジャーズから始まっています。それまでの「患者」から、カウンセラーと対等の関係である「クライアント(来談者)」に変え、カウンセリングセッションも、徹底的に来談者側の視点に立って進めていくことを、その理論で確立します。
中心理論は「自分が自分をどう思っているか、どう捉えているか」という、「セルフコンセプト(自己概念)」であり、自己一致の状態を理想とします。精神的に不安定な状態は「あるがままの自分と、こうありたい、かくありたいという自分との間にギャップが生じているため」と説明します。
<コーチング、カウンセリング、コンサルティングの違い>
表の「カウンセリングの基本的スタンス」である、1.自己一致 2.無条件の肯定的配慮 3.共感的理解 は、「ロジャーズの3原則」と一般的に呼ばれており、コーチングセッションに臨むコーチにとっても基本的な態度要件として重視されています。
そして同表「コーチングの基本スタンス」である、1.人は無限の可能性を持つ。2.答えはその人の中にある。3.答えを引き出すパートナーになる。
もロジャーズの人間観を踏まえており、ロジャーズは「コーチングの母」として概念形成を支えている心理学者でもあるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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