臨床心理学界での“政治的勝利”をおさめたロジャーズは「再起動」する!

ロジャーズは72歳になって、「これまでの人生すべてを振り返らなければならない」と気づかされる衝撃的な体験をします。その年まで書き綴ってきた膨大な論文のなかで「権力」についての考察は存在していません。ロジャーズは一人の臨床心理学者であり、そのスタンスは「人間性心理学」です。ヒューマニストとしての「理想型」を多くの人がロジャーズに仮託していた、と言えそうです。

だからこそ、同時に多くの人が、「ロジャーズは現実を理解していない、人間は権力を得ようとし、そして権力に支配され、その人そのものは善であるかもしれないけれど、正義は自分にあると確信し、置かれた環境の作用によって悪が這い出してくることもあるのだ」という、ロジャーズに対して「両義的な視線」で捉えていたと考えられます。
ロジャーズ自身は、気づくのを避けていた(?)自分に対する「社会の見方」を自覚します。
そして「そこ」にコミットメントしていくのです。そして、ここからもロジャーズなのですね。

ロジャーズは最後の最後までヒューマニストでした。そのうえでリアルな「政治的コンテクスト」を自分のなかに取り込んでいくのです。『ロジャーズ選集~厳選33論文(下)』の中の記述です。

政治学という言葉は、現在の心理学的、社会学的用法では、権力と支配に関係している。すなわち、他人や自分自身にどの程度の権力と支配を望むか、得ようとするか、所有するか、共有するか、譲ろうとするか、に関係する。それは、知っているいないにかかわらず、巧妙な手段、方策とかけひきを用いて、自分自身の生活と他人の生活の上に権力と支配を求め、そしてそれが得られるか…あるいは、共有するか、放棄するか…に関係する。それは、意思決定力がどこにあるかに関係する。

万人が認めるヒューマニストのロジャーズの生きざまは、一方で、フロイトをはじめとする心理療法の「既存の権威」に対して激しく抵抗し、その解体に挑み続けたことで“政治的な勝利”をおさめ、結果としてロジャーズ自身が「新たな権威」として社会的声望を得るという、「逆転の人生」として捉えることも可能です。

では、「自らが大きな政治力を有した存在」であることを省察したロジャーズが選択した行動とは、いったい何だったのでしょうか? その回答は…
「パーソン・センタード・アプローチ」を世界中に広めるべく、そのパワーを積極的に行使していくことだったのです。


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