フロイトは自分が創始した精神分析を「人の心を解明する医学的アプローチである」、との認識を強めていきます。フロイトと決別し、「個人心理学」を打ち立てたアドラーはフロイトについて、「特に彼が、実証哲学主義的な(materialistisch…唯物論)神経学の地位を揺るがし、補助的な科学でしかなかった心理学に医学への門戸を開かせたことは、彼の推測に関する探偵的技術に次ぐ功績である(『現代に生きるアドラー心理学/一光社』)」と、述べています。
やや難解な訳ですが、唯物論とは「精神に対する物質の根源性を主張する立場。従って物質から離れた霊魂・精神・意識を認めず、意識は高度に組織された物質(脳髄)の所産と考え、認識は客観的実在の脳髄による反映であるとする(広辞苑)」、という捉え方です。
アドラーは、「医学ではないとされていた心理学に対して、“医学たりえるのでは…”という視点が芽生えてきたのは、フロイトが精神分析(≒心理療法)を創始し、精力的に広めていったからである」と、評価しているのですね。
脳科学者の中野信子さんがフロイトのことを次のようにコメントしています。
「…この10年ほどの劇的な脳科学の進歩によって、さまざまなことがわかるようになってきています。脳科学が明らかにしたことはいくつもあります。たとえばフロイトの業績は、注意深く読めば科学的証明に乏しい、反証可能性があるとは言いにくい理論であることがわかります。…(『サイコパス/文春新書』)」
アドラーの言葉の最後は少し皮肉が込められています。「彼の推測に関する探偵的技術」こそが、フロイトの真骨頂であると言っていますから、中野信子さん寄りの視点でフロイトを眺めていた印象です。
アドラー、ユングがフロイトから袂を分かった理由として、フロイトが自説を「普遍的な科学」であるとし、批判を拒絶する姿勢が強かったことが挙げられます。
アドラーは、自身の「個人心理学」について、科学か否かにはこだわっていません。哲学として語っているような印象も受けます。アドラーは自由です。アドラーとコーチングがつながっているのは、その自由な発想が物語っているのかもしれませんね。
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