ユーモアっていうのは、やっぱり包摂ということがないと…
(中沢)だから、賢治って、そういう意味で言うと、非常に倫理的で潔白な人だけども、自分は努力してそうなろうとしている。あの人、生命力が溢れている人ですから、性欲にしたって、必死で頑張っていると思うんです。ただ、そうじゃない...
(中沢)だから、賢治って、そういう意味で言うと、非常に倫理的で潔白な人だけども、自分は努力してそうなろうとしている。あの人、生命力が溢れている人ですから、性欲にしたって、必死で頑張っていると思うんです。ただ、そうじゃない...
(河合)ほんとですね。だいたい、『ビヂテリアン大祭』は「異教徒」という席があって、反対論を述べる。しかもその論者が理路整然と話す人とか、非常に感情的な人とか、うまくね。僕、大学生の時にこれを読んだんですけど、すっごい感動...
(河合)僕は宮沢賢治の『ビヂテリアン大祭』(以下宮沢賢治の作品はちくま文庫)というのはね、読んだ時から大好きだったんです。今度アメリカへ行った時、今からする話をしてやろうかなと僕は思っている。というのは、僕らの仲間に、ヴ...
河合隼雄さんと中沢新一さんの対談を収めた『ブッダの夢』を読み込み、コーチングの解説を続けています。前回まで、その第1章「仏教と癒し」にある7つの見出しを順番に取り上げ語ってきました。ここまでのお二人の語り合いを振り返ると...
(中沢)ヨーロッパの場合は、神という普遍から見る。神が私たちを見ています。だから自分がやっていることを神が見ている視点と、自分が世界を見ている視点との調停点を探るような生き方をしていると正しい生き方ができるというのが、カ...
(河合)……つまり、そのことを直接には表現できないので、この線を無限にたどればそこに行きつくというような、方向と運動を与えるような言葉の使い方はできないだろうか。そういう言語の使用法というのは全く違いますね。精神分析にお...
(中沢)……この世界がもうぐちゃぐちゃで、不合理なものに覆われてしまったので、ラチオが欲しいというのでしょうが、それはちょっと違うんじゃないか。むしろありとあらゆるものが、むしろ有理数でできちゃっているんじゃないだろうか...
(中沢)文化というのは、どの文化でも、ある美を実現する瞬間ってあります。美というのは、やっぱりさっき言った黄金数じゃないですけど、なんか特別な無理数を発見するんだと思うんです。 引用は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談を...
前回の解説の最後で、「次回は、“美”とコーチングについて考えてみようと思います。」とコメントしています。実はこの言葉には具体的なイメージがあったのですね。伊藤若冲です。 弊社(株)コーチビジネス研究所は、志を持つ経営者と...
(中沢)……僕にアメリカ人のカメラマンの友達がいて、日本の美を主題にいろいろ撮っています。彼はたしかに日本の美らしい美も撮っています。田植えのときの、きれいな伝統の飾り物を撮ったり、舞妓さんの姿やお刺身を撮っちゃったりし...
(中沢)仏教に関して言えば、鈴木大拙の『日本的霊性』(岩波文庫)、あの本は僕はもう一回、ちゃんと日本人みんなが読んでもらいたいぐらいすごい本だなと思います。そこでは禅と浄土真宗のことが取り上げられていますけど、べつに禅宗...
(河合)……あ、こんなこと先に書いてたやつがおるというんで、急に本が売れ出すわけですね。それでも、僕が欧米のユング派の人と会っていると、いま言われたように、あちらの人の言葉に対する尊敬というか、信頼感というのはすごいと思...
…… 言葉でつくられた意識の世界は水に描いた絵みたいなもので、書いたそばから消えていく、というような教えです。言葉でつくられた意識の世界は水に描いた絵みたいなものだ、それは水が流れていくように変化して、もとの形はなくなっ...
…… ところが、近代医学はやっぱり大したもんですね。切ったらなくなるとか、この薬を飲めば化膿は防げるとか、これはこれではっきり方法を持っている。それと違う方法があるのだが、それにも同じ方法論を適用するので困るのです。みん...
学生の頃、哲学の本とか人類学の本なんかに関心を持って、構造主義を勉強し始めたら、これはまったく仏教とつながるのではないかって僕は思ったんです。レヴィ・ストロースの本を読んだ時。わあっ、この人、仏教徒だと思ったし、それから...