
(吉本)
イメージとしては内気な感じで、一人っ子っぽいというか、マイペースな気ままな感じで。で、道であの人に会ったら、普通の陽気なつとめ人には見えないですよね。やっぱり何か職人っぽいというか、何をしている人だろう? と思うだろうと思う。だけど、そういうことが日本では、とても嫌われるんだと思うんですよ。「変わってるは変わってるで、いいじゃないか」とは、いかないんですよ。
(河合)
日本は、おせっかいの文化やから。みんなが、いろいろおせっかいにきてくれるから。
前回に続き、河合隼雄さんと吉本ばななさんの対談『なるほどの対話』の第1章「若者のこと、しがらみのこと、今の日本のこと。」の13番目の見出しの「決意」を取り上げます。河合さんの「傾聴」と「質問」によって、作家であるばななさんの「生(ナマ)の姿」がどんどん顕われます。さて、ばななさんが語っている「内気な感じで、一人っ子ぽい」人物とは誰なのか…?
村上春樹さんです。春樹さんと深い交流をもつ河合隼雄さんが、「村上春樹さんもアメリカに行きますよね。海外へ。」と水を向けたところで、ばななさんが春樹さんのイメージを語るシーンです。
「日本文化」は、オピニオンリーダーの代表格である「著名な作家」に対して、「日本文化を肯定し、受け入れる人」としての振る舞いを期待する。それに応えると「評判がいい」。ばななさんは、「でもそういうふうにしたらきりがなくなっちゃう、とか、そんなことばっかり考えちゃうんです」、「悩みではないけれど、困っていることの中心は、そんな感じです」という想いが、冒頭で引用した言葉に込められている。
マニア的な人気にとどまっていた春樹さんだったのですが、『ノルウェイの森』がメガヒットすると(してしまうと)、日本の「文壇」は、「軽薄そのもの文体だ……」と、猛烈なバッシング(嫉妬ですね)を浴びせたのです。春樹さんは、ほとほと日本という国(カルチャー)に疲れ切ってしまいます。ですから「デタッチメント」していた(春樹さんはそのように自己開示しています)。
ばななさんは春樹さんを深くリスペクトしている。ここだけ切り取ると、誤解される恐れもありますので、蛇足を承知で補足しておきます(笑)。
(河合)
どっちへもっていくか、というか、どうもっていくか。
(吉本)
もちろん、中間を探しながらいくのかがいちばんいいのですが、ある程度、もう、そうはいかないところにきているので、カマトトぶっているような生き方をしてもしょうがないし。けっこう微妙だなあと思います。……
ばななさんの告白を読んでいるうちに「ペルソナ」を想起しました。近年、「自社がターゲットとしたい仮想の人物像」という、主としてWebマーケティングのキーワードとして用いられることも増えています。ペルソナの直訳は「仮面」です。ユングはそれを、「職場や家庭のなかで社会的役割を演じようとする仮面」に広げ、「元型」の「ひとつのタイプ」であるとしました。
河合さんは「ペルソナ」について、学術書で詳述しています。「コーチング大百科」でも、さまざま取り上げています。<「ペルソナ」という仮面には魔力が潜んでいる…?>で解説した内容を一部再掲します。
衣服がペルソナを表すことは、実際生活において、あまり自分の「こころ」を示すと危険な職業についているひとが制服を着ていることにも反映されている。軍人、警官、車掌など、これらのひとは、つねに人間のこころの問題にふれねばならないので、それに深入りする危険性を制服によって防衛しているということもできるだろう。しかしながら、防衛の手段としての制服は、しばしばその人の全身をおおってしまって、そのなかに生きた人間がいるのかどうか疑いたくなるようなことも起こってくる。これが、ペルソナとの同一視の危険性である。ペルソナの形成に力を入れすぎ、それとの同一視が強くなると、ペルソナはその人の人格をおおってしまって、もはやその硬さと強さを変えることが出来なくなり、個性的な生き方がむずかしくなる。
「生身の個性的な人間」である他者を理解しようとする以前に、“その人”が被っている(被らされている)ペルソナの枠組みで、“その人”を造形していくのですね。特に「日本文化」は、同調圧力が強いので、本人自身もペルソナに依存している。
ばななさんは、河合さんとの対話で、「カマトトぶっているような生き方をしてもしょうがないし。けっこう微妙だなあと思います」と、自問自答を始めている。そして、定めつつある自分の「方針」を貫いてみようという「決意」につながっていくのですね。
コーチングの書である『なるほどの対話』を、これからも「洞察」につなげるべく、読み込んでまいりますので。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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