「言語連想検査」の一端を知ることでコーチングに幅と奥行きが生まれる!

前回のキーワード解説で、ユングが連想実験によってコンプレックスの存在を見出したことに触れています。正式には「言語連想検査」として、ユングの学術的業績の一つに数えられています。

この検査は、被験者に100個の単語(刺激語)を提示し、その単語に対して最初に思い浮かんだ単語を答えてもらうという、とてもシンプルな検査です。「聡明さとか、発想の豊かさとかを検査するものではないので、思いつく言葉を素直に言ってみてください」、ということを伝え始まります。河合隼雄さんは『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門』で、その内容を詳述しています。

「今から単語を一つずつ、順番にいってゆきますので、それを聞いて思いつく単語を一つだけ、何でもよろしいですから言ってください」といって、ストップウォッチを持ち、刺激語を言って相手の反応速度と時間を書きとめてゆけばよい。時間は普通四分の一秒を単位として書き込む。つまり一秒半であれば6と書くわけである。(39ページ)

河合さんは実際に使用する100の刺激語すべてを41ページに表化しています。最初と最後の10単語は以下の通りです。
1.頭2 .緑 3 .水 4 .歌う 5 .死 6 .長い 7 .船 8 .支払う 9 .窓 10.親切な…… 91.戸 92.選ぶ 93.干し草 94.嬉しい 95.あざける 96.眠る 97.月 98.きれいな 99.女 100.侮辱

このように、相互に関係のなさそうな単語が次々に繰り出されるのですが、自分が被験者になったつもりで想像してみてください。ある単語について、連想し、それを言葉にするまでに時間がかかってしまう、ということがあるでしょう。言いよどむこともあるかもしれません。実験は、そこに着目します。被験者の内面に、こだわりや抵抗を感じる“何か”が潜んでいることを推定するのです。「琴線に触れる単語」も100の中にはありそうですね。

たとえば、今の例であると、「別れる」に対して反応がおくれ、「死」と答えたり、「悲しい」に対して、「別離」と答え、再検査のときに、それを忘れて「死」と答えたりする。このようにして、多くの心的内容が同一の感情によって一つのまとまりをかたちづくり、これに関係する外的な刺激が与えられると、その心的内容の一群が意識の制御を超えて活動する現象を認め、無意識内に存在して、何らかの感情によって結ばれている心的内容の集まりを、ユングはコンプレックスと名づけた。(42ページ)

ユングの言語連想検査は、現在の心理検査に用いられる投映法の起源とされています。左右対称のインクのしみから何が見えるかを問う「ロールシャッハ・テスト」や、書きかけの文の後に続く文章を自由に書いてもらう「文章完成法(SCT)」は、投映法に含まれます。

CBLコーチング情報局は、心理テストを詳述するのが目的ではないので、ここまでとします。実際のコーチングにおいて、このような心理検査を用いることはありません。ただ、五感によりクライアントの置かれている状況を把握し、寄り添うことがコーチングには求められます。ユングの「言語連想検査」の一端を知ることで、幅と奥行きを増したコーチングセッションがイメージできそうですね。


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