1948年にスイスのチューリッヒに開設され、世界にユング派心理学を広める役割を担ってきたユング研究所において、日本人として初のユング派分析家の資格を取得したのが河合隼雄さんです。
河合隼雄さんの業績を語る際に、「日本におけるユングの分析心理学の普及・実践に貢献した」という文言がまず登場しますが、その生涯において担われた役割は、ユング心理学をコアとしながらも、広汎なお仕事を通じて、日本国内、そして世界に「日本文化の本質」を伝えてこられた「偉大な語部(かたりべ)」としての姿でした。
Wikipediaの冒頭は、次の紹介文から始まります。
河合 隼雄(かわい はやお、1928年〈昭和3年〉6月23日 – 2007年〈平成19年〉7月19日)は、日本の心理学者。教育学博士(京都大学)。京都大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授。文化功労者。元文化庁長官。国行政改革会議委員。専門は分析心理学(ユング心理学)、臨床心理学、日本文化。
亡くなられた河合さんへの追悼の意を込めて、2009年に『<心理療法>コレクション』が発刊されます。その第一巻が、1967年に発表された河合さん最初の著作に「序説 ユング心理学に学ぶ」を併録した『<心理療法コレクションⅠ>ユング心理学入門(岩波現代文庫)』です。まずは、その「序説」にある「ユング心理学の特徴」の一節を引用します。
ユング心理学は、その人の生き方と心理学が重なってしまうので、ユングのことを述べているうちに自分自身のことが入りこんできたりして記述がおかしくなってしまう。しかし、これも致し方ないことである。一人一人が「自分の」ユング心理学を構築すればいいとさえ言うことができる。ユング心理学の根本は「個性化」(individuation)ということだから、ユングの言うとおりに従おうとする人はユング派ではない、と言えるわけだ。ユング心理学の特徴の最大のこと……と思っている……は、堅固な体系を真理として提示することではなく、人間の心、ひいては生き方に対する根本姿勢を問うていることである。簡単に言ってしまえば、人間をその意識することだけではなく、可能な限りその全存在を尊重し、そこに生じてくることを可能な限り受け入れようとすること、と言えるだろう。
「ユングの言うとおりに従おうとする人はユング派ではない」は、河合さんがよく用いるパラドックス話法です。とても愉快ですね。
CBLコーチング情報局では、これまでコーチングの形成に影響を与えてきた世界の心理学者について解説しています。日本人は、稲盛和夫さん、緒方貞子さんなどについて紹介しているものの、心理学者である日本人は登場していませんでした。そこで今回のキーワード解説より、包容力溢れる河合さんのお人柄に迫ってみようと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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