ひとつよいことがあった時、「ふたつよいことさてないものよ」と心の中で言葉にしていると、少し余裕がでてくるかもしれませんね。ただ、この言葉だけで終わってしまうと、「まあ、そういうことかな…」となりますが、河合隼雄さんは、そこから、もう一つの言葉を引き出してくれます。「ふたつわるいことさてないものよ」です。
ユング派心理学者である河合さんは、ユングが晩年に一つの到達点として像が結ばれた「相補性」を、くりかえし語ります。河合さんの本業(?)は学者ですから、研究書・学術書を多く著されています。なかには難解な記述のものもありますが、エッセイについては、とても平明であり、その語り口に魅了されます。今回は『心の処方箋』の「ふたつよいことさてないものよ」を取り上げます。
この法則はまた、ふたつわるいことさてないものよと言っていると考えられる。何かわるいこと嫌なことがあるとき、よく目をこらして見ると、それに見合う「よいこと」が存在していることが多い。せっかく頑張って仕事をしようと思ったときに病気になる。残念で仕方がない。しかし、考えてみると、それは「休息」が与えられたのかもしれないし、やりすぎに対する警告かもしれない。
人は「何かよいこと」があると、それが続くことを願います。一方で「何かわるいこと」が生じると、それが続くのではないか、と不安になります。このことは、全ての人に組み込まれた「普通の感情」ですから、そこから「気持ちを切り替えましょう」と促す、さまざまな言葉が世に存在しています。河合さんの言葉もその一つです。
ただ、河合さんの言葉は、私たちの心に響き、肚に落ちる感覚として「じわり」と伝わってくるのが不思議です。「あるある」が、鮮明なイメージとして浮かび上がってきます。
ふたつよいことさてないもの、とわかってくると、何かよいことがあると、それとバランスする「わるい」ことの存在が前もって見えてくることが多い。それが前もって見えてくると、少なくともそれを受ける覚悟ができる。人間は同じ苦痛でも覚悟したり、わけがわかっていたりすると相当にしのぎやすいものである。あるいは、前もって積極的に引き受けることによって、難を軽くすることもできるだろう。
コーチングはクライアントとの対話を通して、そこに「気づき」が訪れると、セッションの展開が促され、ゴールへの道筋が見えてきます。お互いか発する「言葉」が双方の心に届かなければ、そのシーンが訪れることはないでしょう。だからこそ、私たちコーチは「言葉」の一つひとつを大切にとらえることが求められるのです。
ふたつよいことさてないものよ、というバランスを見るときに、物質的なことだけでなく、心の方にも目配りして見ることが必要である。物も心も含め、長い期間にわたって見ると、全体としてのバランスのよさに感心させられることが多い。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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