ロジャーズの「エンカウンター・グループ」に見る心理的安全性とは?

1960年代はロジャーズの視点が大きく広がっていく時代です。『ロジャーズ選集~厳選33論文(下)』には、「社会的な意義(1960年)」「十分に機能する人間…よき生き方についての私見(1961年)」「学習を促進する対人関係(1967年)」など、論文というより哲学的なテーマの内容が編纂されています。このことは、選者が「あえて哲学的なものを選んだわけではなく、ロジャーズが、“そのようになっていった”」のです。

今回のキーワードは「エンカウンター・グループ」です。エンカウンターという言葉は、心理学を学んだ人は別として、一般になじみの薄いワードだと思われます。意味は、「出会い」「遭遇」で、それがグルーブ自体の潜在力とメンバーの潜在力によって、対人関係(ロジャーズは“誠実な芸術”と例えています)が促進される…その方法をロジャーズが編み出したのです。そして、その場における重要な存在が、ファシリテーター(facilitator)です。
自らファシリテーターとなったロジャーズが、心理的安全性がもたらされる「風土づくりの機能」について論を展開します。

今日、企業で、そしてさまざまの機会で「グループセッション」が行われます。その際、進行役をファシリテーターと呼称することが一般化しています。ファシリテーター以前は、グループリーダーなどと呼ばれていました。つまりグループセッションのあり方が、グループのリーダーが「引っ張っていく手法」から、進行役は「意見を主張するのではなくメンバーの考えを引き出すこと」に主眼を置く、という内容に変化していったことが、この呼称に込められているのです。
日本において、エンカウンター・グループという言葉そのものは、一般化していませんが、ロジャーズの考え方は、ファシリテーターという言葉が広がってきたことで、受容されているのです。

私は、自分のファシリテーターとしての動き方がグループの生命に重大な意味をもつと信じているが、そのグループ・プロセスのほうが私の発言もしくは行動よりもはるかに重要であり、私がそれに介入しなくても、そのプロセスは展開すると信じている。たしかに私は、参加者に対して責任を感じるが、参加者に代わって感じているのではない。

実際にファシリテーターとなったロジャーズは次のように語ります。

たぶん私がグループを信頼しているためだと思いますが、私はグループのなかでは最初からたいてい非常に気持ちを楽にし、リラックスしています。これは少し言い過ぎかもしれませんね。普通、グループが始まったときは、いつも少し不安な感じがしていますから。だけど、たいていは「何が起こるか私にはわかりません。でも、何が起こってもいいんだ」と内心思っています。「そう、何が起こるか誰にもわからない。けれども、何も心配することはない」と、非言語的に伝えているように思います。自分がリラックスしていて、何も指導しようと思っていないことが、他の人たちを自由にしていくように思っています。

ロジャーズの存在そのものが「安心感を与える」のでしょう。ロジャーズは「非言語的」と表現しているように、「リラックスしてください!」と言葉にしながら、その本人が能面のように無機質な表情であったり、緊張感ただよう態度であったならば、その場にいる人は決してくつろぐことはできません。メラビアンの法則により、相手の印象形成におよぼす影響は、非言語(ノンバーバル)情報が93%を占める(逆に言えば言葉そのものは7%にすぎない)ことがわかっていますから。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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