『論理療法―自己説得のサイコセラピー』の中につぎのような一節があります。
「…… 論理療法は、おそらくあなたの言われるとおり、表面的で調子よく聞こえる点があるのでしょう。私はただあなた方のような専門家たちに、論理療法が実際に機能するかどうかをご自身で率直にやってみてほしいと思っているだけなのです」
私は論敵に対して、私の見解の正しさを納得させるにいたっていないことは自分でも承知している。しかし、他の聴講者は、人間の感情があたかも魔法のように何の前提もなく先験的に存在しているのではなく、また無意識的な必要や願望から神秘的に生じるものでもないということをよく分かってくれたようだ。むしろ感情とは、ほとんどつねに観念、思考、態度、信念などから直接に生じるものであり、さらにわれわれの思考過程を変えることによって根本的に変化させ得るものなのである。(17ページ)
提唱者であるエリスは、論理療法に対する“専門家”の見方を紹介しつつ、余裕を持って、多くの人たちが自分の考え方を受け入れてくれていることを語ります。
臨床心理学者としての評価がWikipediaに次のように記されています。
アメリカの1982年の臨床心理学者への世論調査では、その分野に大きな影響のある人物としてフロイトを抜いて2位に選ばれ、1位に(来談者中心療法の)カール・ロジャース、3位に(精神分析の)ジークムント・フロイトが挙げられた。また、1957年以降、論文への引用頻度でも一位を続けていた。
冒頭に引用した「われわれの思考過程を変えることによって根本的に変化させ得るものなのである」という言葉が、論理療法の意義を明瞭に語っています。
太字にした“思考過程”を探求した結果として、エリスは「ABC理論」として精緻化させるのですね。
CBLコーチング情報局のキーワード解説では、「盛りそば・ざるそば」は音を立てて食べても違和感を覚えないのに、「スパゲティ」は、音を立てて食べるとイヤな顔をされてしまう、そのメカニズムを「論理療法」で説明しています。
その背景には「日本文化」と「西洋文化」が、歴史の過程で紡いできた「物語・ナラティブ」が存在します。「物語・ナラティブ」については、ジャッジメントの視点ではなく、「論理療法」でアプローチしていくと、「腑に落ちる感覚」を抱けるのではないでしょうか。
同一文化圏において、価値観を共有してきた者同士でコミュニケーションが完結するのであれば、大きなストレスを感じることなく生活を営むことができるでしょう。ところが現代は、世界中のさまざまな「文化や物語」が、容赦なく押し寄せてきているのです。
だからこそ「ダイバーシティ&インクルージョン」には、ポリティカル・コレクトネスを超えた「実感」としての受容につながるよう、真摯に向き合うことが求められます。その結節の役割を「論理療法」が果たしてくれるでしょう。
「論理療法」は、カウンセリングの一分野としてオーソライズされていますが、「思考過程そのもの」は、コーチングとの親和性が極めて高いことに気づかされます。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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