CBLコーチング情報局の「コーチング大百科」は、そのタイトルの通り、コーチング全般について解説しています。コーチングは、ライフコーチング、ビジネスコーチング、そして経営層を対象とするエグゼクティブコーチングの3つの分野で捉えるのが一般的です。
コーチングを一通り学んだ人が、この3つのうち、自分の進むべき分野をどれに定めていこうか、と考える際に、多くの人が「自分の経験したこと」に照らし合わせて、選択しようとすることが多いと思われます。
そのこと自体は否定しません。特に、エグゼクティブコーチングは、経営層が対象になりますので、ビジネスも含めて「経験知」のない人は、ライフコーチに照準を合わせる人が多いのも実態です。
ただし、この考えにとどまっているコーチは、大成しないと考えた方がよさそうです。
カウンセラーの河合隼雄さんは『<心理療法コレクションⅡ>カウンセリングの実際』で、「経験」と「共感的理解」について、私たちに納得の視点を提供してくれます。
離婚しようかどうか迷っている年配のクライアントが相談に来る。ところがカウンセラーは25歳で独身です。すると、クライアントが「失礼ですけど、あなたのお年は何歳ですか」と言い出して、「私の悩みがわかりますか」と言う。
「あなたは会社を経営したことがない。私の悩みがわかりますか」と、会社を経営しているクライアントが、年若いエグゼクティブコーチに質問しそうな状況と一緒ですね。
「経験のないことはやめた方がよい」と極端に言いますと、われわれはカウンセリングができなくなります。私と同じ経験をした人は世の中にいないので、絶対できなくなってしまう。(119ページ)
河合さんは「経験」を単純には捉えません。「共通の因子」としての「経験」です。
その点をもっとおしすすめていきますと、一つの経験を深く豊かに経験することのできる人は、それを、共通の因子として経験の枠組みを拡げることができる。極端な言い方をしますと、私が道端で思わず花のついた雑草を踏みつけたとき、その体験を本当に深めると、人が死ぬ感じ、人が殺されることにさえつながると思われます。それを深めることができなければ、雑草を踏んだのと、人を殺すのとは全然別の話です。ところが、体験を深く掘り下げていくとき、何か共通の因子につながっていく。そういうことがあるから、五七五の俳句についてさえ、一つの諭文が書けるということになると思うのです。(120ページ)
河合さんの言う「同じ経験をした人は世の中にいない」は、とても深い意味が込められています。「会社を経営したことがある」「私は上場企業の取締役だった」という「経験」を根拠にエグゼクティブコーチングができる、と考えてしまう人の方が心配です。「無知の知とは?」から勉強を始めてほしい、と思わずアドバイスしてしたくなりますね。
人に深くかかわっていくカウンセリングとコーチングは、次の河合さんのメッセージによって「共通の因子」として浮かび上がってくるのが実感されます。
カウンセリングをする人は、自分の経験を深めることを考えねばなりません。同じひとつのことをしても深く体験した人は、それを共通の因子として多くのことが共感できるようになりますし、浅いところでとどまっている人は、少しのことしか共感できません。(121ページ)
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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