(河合)
ほんとですね。だいたい、『ビヂテリアン大祭』は「異教徒」という席があって、反対論を述べる。しかもその論者が理路整然と話す人とか、非常に感情的な人とか、うまくね。僕、大学生の時にこれを読んだんですけど、すっごい感動しました。だから、相当印象に残ってて、最後にニュウヨーク座のジョン・ヒルガードが出てくる、その名前まで全部覚えていました。
こういう格好で捕鯨を考えたら面白いんじゃないでしょうか。それがなんか、現代のはもう……。
(中沢)
一方的な感情だけで。
(河合)
一方的に喧嘩するでしょう。この作品は非常にユーモアがあって、寛容性がありますよね。
前回から、河合隼雄さんと中沢新一さんの『ブッダの夢』の第2章の最初の見出しである「『ビヂテリアン大祭』の衝撃」を取り上げてのコーチング解説を始めています。ただし前回は、宮沢賢治という天才であり巨人を、メタ思考で捉えるお二人の言葉を抽出していますから、『ビヂテリアン大祭』の内容に触れるのは、今回からです。
宮沢賢治の作品といえば、『銀河鉄道の夜』がもっとも広く読まれていると想像しますが、この詩的であり幻想的な“夢”を題材にした小説と、この『ビヂテリアン大祭』は、作風がまったく異なります。Wikipediaの冒頭の紹介を引用しておきます。
「ビジテリアン大祭」(ビジテリアンたいさい)は、宮沢賢治の「童話」である。賢治が死去した翌年(1934年)に発表された。菜食主義につきまとう誤解や偏見を宗教になぞらえた作品である。「ビジテリアン」は現代風に発音すれば「ベジタリアン(菜食主義者)」となる。
賢治が「童話作家」だからという理由で「童話」にくくられているが、極めて具体的に、難しい用語も構わず使って大人が議論に明け暮れるそれを、賢治の作品では明らかに浮いていて「童話を逸脱している」と評する意見もある。
「宮沢賢治=童話作家」と決めつけてしまっているフレームを、「いかがなものか…」と感じてしまいます。河合さんが感動したこの『ビヂテリアン大祭』は、宮沢賢治の思想の集大成であり、戯曲風の建付けによる「異質の調和」を描ききった重厚な大人の小説ですから。
内容を語る前に力が入ってしまいました。河合さんと中沢さんは、ちくま文庫版を取り上げていますが、筆者は、新潮文庫の『新編 銀河鉄道の夜』に収録されている同作品を読んでいたので、引用は、この新潮文庫版とさせていただきます。
『ビヂテリアン大祭』の内容を紹介する初回ということで、同作品の書き出しを引用し、今回のコーチング解説を終えることにします。
私は昨年九月四日、ニュウファウンドランド島の小さな村、ヒルティで行われた、ビジテリアン大祭に、日本の信者一同を代表して列席して参りました。
全体、私たちビジテリアンというのは、ご存じの方も多いでしょうが、実は動物質のものを食べないという考のものの団体でありまして、日本では菜食主義者と訳しますが主義者というよりは、も少し意味の強いことが多いのであります。菜食信者と訳したら、或は少し強すぎるかもしれませんが、主義者というよりは、よく実際に適っていると思います。もっともその中にもいろいろ派がありますが、まあその精神について大きくわけますと、同情派と予防派との二つになります。
この名前は横からひやかしにつけたのですが、大へんうまく要領を云いあらわしていますから、かまわず私どもも使うのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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