
(吉本)
何もしなくても、仕事についていなくても、人びとをこんなに幸せにしている人たちがたくさんたくさんいるのに……。そういう人たちが生きていきやすい世の中になるといいですね。みんな真面目だから病気になっちゃうという側面は、ありますよね。
(河合)
あります、あります。
引用は、前回の最後に河合さんが「触媒論」を展開した、その続きです。『なるほどの対話』の第1章「若者のこと、しがらみのこと、今の日本のこと。」の14番目の見出し「クリエイティビティ」のなかの一節です。
「真面目だから病気になっちゃう」という指摘は、考えさせられます。「正直者がバカを見る」という処世訓を一瞬イメージしましたが、「いや、違うな」と考え直しました。ばななさんも河合さんも「不真面目に生きた方がいい」と、言っているのではなく、「どのような人にも取柄はある。だからこそ、まず自分を肯定しよう」という、メッセージであると受けとめました。
日本社会は、「個人プレー≒個人の輝き」というより、「和の重視≒集団のチームワーク」を尊ぶ傾向がありそうです。すばらしいことだと感じます。ただ、物事はプラスとマイナスが併存している。個性的でキラリと光る能力や技をもっていても、周りの空気を読み、「とりあえず隠しておこう」という動機が働きます。「能ある鷹は爪を隠す」は、“日本”で生まれた諺であり、「肯定すべき成句」の代表ですから。
日本の「奥ゆかしい文化」は、世界を覆う「分断」のアンチテーゼとして、存在感を増しています。一方で、多くの日本人が「同調圧力」という見えない空気に酸欠を起こしている。どのような人であっても「居場所」が見出せる社会であってほしいですよね。無意識の「監視感覚」に囚われてしまう私たちの「目」の曇りを拭うためにも、ばななさんの「視点」をしっかりと受けとめたいと思います。
「病院から書いています。私は親に迷惑ばっかりかけて、死にたい」といった手紙をもらうことがあると、ばななさんは言います。
(吉本)
「親は、あなたが思うほど迷惑だと思っていないと思うよ」と言うんですが、やっぱりみんな真面目な気持ちがありすぎちゃうから、そうやって具合が悪くなっていく。日本特有の病気のなり方というか。
「自罰感」です。このケースは親子の関係ですが、「自分の振る舞いが相手を深く傷つけてしまった」という感情体験は、日本文化と親和性が高い。この感覚は、キリスト教文化圏とは違っています。
キリスト教は、超越神であるキリスト教の「神」と一対一の契約を結ぶ。そこには親を含めて周囲の人間は介在しない。したがって、自分を罰するのは「神」であり、人間ではない。「他人の目を気にする」という日本人の多くが共有する感覚とは異なります。これが西欧的「個人主義」です。
ばななさんが言うところの「自分が思うほど相手は気にしていない」は、真実です。視点を変えると、「自意識過剰」に陥っている。俯瞰する力が著しく弱まっている状態です。
書きつつ、「日本文化論」になってきたなあ、と感じますが(苦笑)、この流れで今回をまとめます。
真面目さゆえに自分を責め、息苦しさを抱える人が、どうも日本には多い。周囲に迷惑をかけまいとする気持ちは美徳。でもそれが過剰になると、「自分の存在が誰かを傷つけている」という「自罰感」へと傾いてしまうのです。だからこそ、ばななさんの「やわらかい眼差し」に「救い」を見出したいと思います。
何もしなくても誰かを温めている人がいるように、人はそれぞれに「個有の価値」を持っている。でも多くの人は自分が有している「個有の価値」に気づいていない。「同調圧力」の強いこの日本では、個性を隠すことが安全策につながっていると錯覚してしまう。それが何をもたらすかというと…「自分の居場所を狭めてしまう」という流れです。
ふと、メーテルリンクの『幸せの青い鳥』を想起しました。「自分が安心して息をつける居場所」は、他者がつくってくれるのではなく(頼るのではなく)、「自分自身を見つめる眼差し」から生まれてくる、ということですよね。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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