『現代に生きるアドラー心理学』のなかに、次のような記述があります。
アドラー心理学では多様なことができるのです。理論体系を尊重すると共に技術的には折衷主義ですが、後者に関しても、個人心理学の基本的前提に背かないように注意します。全体的に見て、症状を伴う、初期の臨床査定では、その理解を増すために2つの基本的な質問があります。
ここに書かれている専門用語の「折衷主義」をまず解説しておきましょう。
クライエントの抱える問題の質やパーソナリティの特徴、クライエントの置かれている状況などを考慮したうえで、複数の理論・技法を柔軟かつ積極的に用いるプラグマティックな立場を折衷主義という。(『カウンセリング辞典/ミネルバ書房』より)
プラグマティックとは「実用的」「実際的」と訳されます。アドラー心理学の柔軟さが伝わってきますね。そのことを踏まえた2つの基本的質問は次の通りです。
クライアントの「主観的な状況を把握する質問」
「最近いつもイライラしている、と言われますが、あなたのそのイライラで最も影響を受ける人は誰だと思いますか?」
「あなたは誰にでもやさしくしている、と言われますが、その態度に最も応えてほしいと思っている人は誰ですか?」
人は、生じている感情に対して、特定の誰かに向けているのではない、と一般化してしまう場合があります。そこには特定するのを避ける“何か”の存在が類推されます。アドラー心理学では、「最も〇〇は誰ですか?」「最も〇〇は何ですか?」と質問することで、焦点化につなげていきます。
主観的状況と客観的状況を関連づける「大質問」
「イライラがすべて解消されたら、あなたの気持ちはどのように変化するでしょうか?」
「仮にあなたのやさしさに周りの人が一切気づいていないと、あなたが実感してしまった場合、あなたの気持ちはどのように変化するでしょうか?」
「大質問」と大仰な表現で呼称されるのは、主観的な内容が何であるのかを探り始めたクライアントに、深い気づきが訪れるだろう状況が見通せる質問だからです。
「あなたが今日死ぬとわかったら、あなたはこれまでの人生をどう振り返りますか? 何を達成し、何を後悔すると感じるでしょうか?」といった質問も「大質問」です。
ただし、この「大質問」が効果を発揮するのは、クライアントの内部で、自身と対象を相対化する力が芽生えていることが条件となります。言葉だけを切り取っただけでは、クライアントの心には届きません。
起承転結の流れを、実際のコーチングセッションで具現化するための視点を、この「2つの質問」に見出すことができるのです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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