近代の科学と一神教の両方の限界を超えているところを持っているのが「仏教」

(中沢)
『旧約聖書』の「出エジプト記」を見ますと、エジプトで長いこと奴隷生活を送っていたイスラエルの人びとが、モーセの指導によってカナンの地へ移動した一回限りの出来事みたいに言っていますけど、どうもいまの聖書学だと、そうではないようです。こういう移住は何波にもわたっておこったことのようです。カナンの地でイスラエルの原型をつくった人たちはハベルと呼ばれました。そこへ、周辺諸国のエジプトとかシリアの帝国、こういうところの奴隷だった人たちが逃れてきました。カナンの土地には逃亡奴隷たちの新しい共同体あるということを知ってそこに来て、ここで新しい共同体を設立した。これがいまの聖書学の考え方です。

河合隼雄さんと中沢新一さんの対談集『仏教が好き!』第2章「ブッダと長生き」の6番目の見出し「なぜ仏教は深層心理学に通じるのか」を取り上げる2回目です。ハベルの意味を生成AI(Copilot)に質問すると、次の回答が返ってきました。

中沢新一さんの引用で言及されている「ハベル」ですが、これは聖書に登場する重要な概念のひとつです。「ハベル」とは、ヘブライ語で「蒸気」や「空気」、「はかないもの」といった意味を持ち、旧約聖書の『創世記』に登場するカインの弟、「アベル(Habel/Havel)」の名でもあります。

現代世界の重大イシューの一つに「移民問題」があります。「移民問題」はどの時代も生じていたと考えられますが、「出エジプト記」は、“文献”として遡れる最古の事象かもしれません。そしてこの「出エジプト記」をよすがとして、20世紀に「シオニズム運動」が隆盛し、リアルな今日のイスラエル国家がつくられます。「ヤハウェの神」を信仰するユダヤ民族のナラティブは、私たち日本人にとってなかなか思い至ることができませんが、『旧約聖書』を読み込んだ中沢さんは、次のように解釈を進めます。

(中沢)
そうすると、もうこれは最初から人間の法の手を逃れたという意味で、「ならず者」の共同体だったんです。「ならず者」と言っては悪いかもしれないけども、国家権力に反逆したり、逃れてきた人たちが独自の共同体をつくった。
そこでジェームス・ジョイスは『ユリシリーズ』のなかで、感動的なモーセのくだりを書きました。「モーセが石板にきざまれた『ならず者』の言葉で書かれた神の言葉をかかえて」って書いてある。実際、モーセがシナイ山で神から与えられた「十戒」というのはそういう『ならず者』に命令した言葉です。あれは上品な人とか知識人たちに向かっていうことじゃない。「盗むな」とか「姦淫するな」とか、それははっきり倫理の言葉です。
(河合)
倫理を説く必要があった。

中沢さんは、この「古代イスラエル国家」と「仏教のはじまり」を独自の視点で対比させます。

(中沢)
神の言葉は明瞭な倫理の言葉でなければいけなかったと思います。最初から、古代イスラエルは反国家的で、脱国家的で、新しい共同体を国家の上につくるという明瞭な意識を持った人々がつくった共同体だった。そこの世界で重要なのは共同体原理ですから、これは倫理だったと考えられます。
ところが仏教はそうではなかった。ブッダのまわりに集まった最初の人びとは、これは大した知識人たちだったのです。
(河合)
だから「良家の子女」という言葉が「ブッダ伝」になんぼも出てくる。

仏教徒でもある中沢さんの「判官びいき」が濃厚に表れてしまっていますが、ネタニヤフ政権の振る舞いを見るにつけ、現代イスラエルという国は宗教(旧約聖書)国家であることが、濃厚に伝わってきます。
中沢さんは、「良家の子女たちにいちいち倫理のことを言う必要はなかった…」と、論を展開します。これを受けて河合さんは、「いや、そう考えたらよくわかりますね。それがもう当たり前、当然のことで、次の問題はまさに心の問題ですから。」と、当該見出しの「結論」につながっていきます。日本が誇る「心の専門家」としてリスペクトされる河合さんの「心(こころ)観」と、中沢さんの「仏教観」は、とってもいい!

(河合)
僕の『こころの処方箋』(新潮社、1992年)という本のいちばん初めに「人の心などわかるはずがない」と書いています。
(中沢)
…… 一神教の場合には、輪廻を脱出してあらゆる神々の世界を超えた存在をつくっている。存在そのもの、これを神と言い、名前を与えたということから、人類の第一期の形而上革命だと思うんですけど、次に科学が生まれて、これが第二次形而上革命でしょう。その先に第三次形而上革命というのが来るとしたら、それにいちばん近い点にいるのはたぶん仏教だろうと考えます。近代の科学と一神教の両方の限界を仏教が超えているところを持っていますから。
(河合)
そう、持っていますね。


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