本人が解釈しながら物語をつくっている…自問自答、そしてオートクライン

(河合)
先ほどの土器をこねるとか夢のこね方の話で、こねるとか断片の完成ということでは箱庭療法とすごく関係がありますね。箱庭もやはり砂をこねてつくるわけですから。けれども箱庭の場合は、逃げてやろうと思えばいくらでも逃げられるわけです。つまらないものをつくって逃げてやろうと思えばできるわけですが、夢はそれができないんですね。夢はコントロールできませんから。ですから箱庭は、ある意味では危険性がないんです。逃げたい人はどんどんお逃げください。
(中沢)
人間がそれをコントロールできるという安心感を与えるわけですね。

ブッダの夢』第6章「汎神論風夢理論のこね方」の、9番目の見出し「夢と箱庭療法」を引用しながら、コーチングを解説しています。引用にあるように「箱庭療法」が登場します。ここで見出しの「夢と箱庭療法」がつながりました。

253ページの『ブッダの夢』を取り上げての解説は、100回を超えているのですが、ほぼ50ページで構成される第3章「箱庭療法の宗教性」は、河合さんによる中沢さんへの「箱庭療法講義」となっています。18話ほど綴ってみました。そのスタートは<深いというのは、親しくなくても深い関係であり得ます>です。リンクを張っておきますので。

河合さんは、臨床心理学者の枠を超えて、様々な仕事に取り組まれてきました。その河合さんが、日本の文化に適合させるべくアレンジを重ね、全国に広げた「箱庭療法」は、必ず筆頭として語られる“臨床心理学者”としての河合さんの業績です
ただ面白いのは、河合さんはユング派心理学者ですが、「箱庭療法」は、ユング心理学とは特に関係がないのですね。「ユングの言う通り従うのはユング派ではない」と語る河合さんらしさが現れています(笑)。

河合さんは「箱庭療法」のいいところを、「逃げることができる」し「逃げてもいい」と、肩の力を抜いてくれる河合語法でコメントします。箱庭療法は「プレイ」であり「アート」の流れをくむものですが、コーチングとの親和性が強く感じられます。
ただ「逃げてもいい」で終わってしまうと、〆とはなりませんので、続く河合さんの「深い言葉」を引用します。

(河合)
ええ。ですから、これは箱庭療法のいいところでもあるんですが、つくりながら本人が解釈しているようなものです。つくっている人は、ちょっとここがおかしいなとか思ってやりなおしたりして、自然に解釈が入ってくるんです。本人が解釈しながら物語をつくっているようなものであって、これは先ほどの、自分の夢をどのくらい操作してコントロールできるかという問題と関係してくる。へたに操作してつくった箱庭はなにも意味をもっていませんけど、それはそれでいいんですよ。入っていきたい人は、だんだん入っていけばいいんです。

コーチとクライアントが真剣に対話を続けていると、クライアントの内部で「自問自答」が始まります。目の前に居るはずのコーチの存在が消えてしまうような感覚になることもあるのですね。それが「オートクライン」です。
コーチングを体験すると、自分の窓がどんどん大きくなっていくのが自覚されます。そして、「変わっていく自分が実感できるようになります」…この言葉を今回の〆の言葉とさせていただきますので。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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