吉本ばななさんの「作家性」について思考してみた!

(吉本)
…… その子たちには特徴があるような気がしています。すごくみんな素直で、打たれ弱いっていうのかな、ちょっと「ビシッ」と言うと、「ピューッ」と引いていっちゃうところがある。世の中に対する皮膚が弱いような感じがするんですよね。
(河合)
それ、いい表現ですね。

河合隼雄さんと吉本ばななさんの対談『なるほどの対話』の第1章「若者のこと、しがらみのこと、今の日本のこと。」の3番目の見出し「若者の感性」の中にある、作家であるばななさんの“感性”が、自然に「言葉」になっているところを引用しました。
この対談は、21世紀の最初の年に行われています。四半世紀前ですから、「その頃の若者」と「現在の若者」は、変わっている…ようにも感じますが、お二人の対話を深く読み込んでいくうちに、現在に通じる日本の若者の「ナイーブさ」は、その頃から形成され始めているのでは、と気づかされるのです。

河合さんは、「昔は全ての人が頭ごなしだったから」と、20世紀末ごろまでの日本を象徴化させています。パワハラという言葉が市民権を獲得するには、今しばらくの時間経過が必要でした。
ところで「ナイーブ」というカタカナは、日本では「優しさ」といった肯定的ニュアンスを帯びていますが、英語の naive は「未熟」「世間知らず」という含意が強いのですね。そこで少し考えてみました。カタカナ日本語と英語の違い・ズレは、なぜ生じているのか?

筆者は、「弱さ」や「繊細さ」を肯定的に捉え直す文化的変化が、この「ナイーブ」に込められているように感じます。「間違った解釈」として思考を止めるのではなく、「リフレーミング」の視点です。
90年代後半〜2000年代初頭は、「弱さの肯定」が社会的に広がり始めた時期として理解できます。「パワハラという概念の普及」「メンタルヘルスの可視化」「“優しさ”を価値とする文化の台頭」…… 「コーチング」が認知され、日本で広がっていったのも、この四半世紀の現象です。

「優れた作家は時代の変化を的確につかみ、そのことを言語化する能力(素人にはとても紡ぐことが出来ない表現で)に長けている」と言われます。吉本ばななさんの「言葉の魔力」に感服です。

前回、ハルノ宵子さん(ばななさんの姉)の『隆明だもの』の書評を、生成AI(Copilot)とのコラボでつくってみましたが、Copilotは、お二人の特徴を次のような「文学的表現」で差異化しています。筆者が用いた「魔力」は、このコメントから借用しました。

吉本ばななさんが「物語の魔術師」だとすれば、 ハルノ宵子さんは“観察と記述の鬼”です。ばななさんは、感情の流れを物語化する、読者の心に寄り添う、「癒し」や「再生」を描く。一方で、ハルノ宵子さんは、感情を一切甘やかさない、事実を事実として突きつける、家族の“生々しさ”をそのまま書く、しかし残酷ではなく、むしろ透明

冒頭で引用した、お二人の対話の続きを紹介し、今回のコーチング解説を終えることにします。筆者は、吉本ばななさんの「作家性」を深く堪能しています。

(吉本)
私などは歳いって分厚くなっているから、いいのですが、皮膚の薄さがあって、そこに感性の世界というものもあって、ふわふわ浮いているような。もっと身体の反応みたいなものに敏感になって、ちょっとだけ免疫をつけて丈夫になった方がいいのではと思います。
(河合)
おっしゃるように、強くなければダメなんだけれど、いわゆる「強い人」というのは感受性がないでしょう。そこを間違わないように。いろいろ感じ取りながら、別に傷ついたままで戦うというか、これが必要なわけですよね。次のステップが。それは、吉本さんの言われた「いかに折り合いをつけるか」という言い方をしてもいい。感性を自分のなかにグッと持ってくるというか。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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