河合隼雄さんのエッセイ集である『こころの処方箋』の12番目のタイトルは、「100点以外はダメなときがある」です。
さて、のタイトルだけで、皆さんは何を感じるでしょうか?CBLコーチング情報局は、コーチングについて、さまざまな視点で解説を重ねています。ベースは、もちろん「コーチングの3原則」であり、「“単純な”これしかない!」というスタンスはとっていません。河合さんは、このエッセイで、明確に「100点しかダメ」なときは存在する、と言います。ただし、みなさんに安心してもらうために、当該エッセイの最後の16文字を、まず紹介することにしましょう。
100点はときどきでいいのである。
では、「100点以外はダメ」なときとは…?
家族関係のことに例をとってみよう。
会社で沢山用事が重なり、しかもうまくゆかない。残業して頑張ったものの、そんなときに限って、いろいろとチグハグしたことが起こる。疲れ果てて家に帰ると、妻と子が浮かぬ顔をしている。話を聞くと、中学生の子どもが仲間に誘われて窃盗したのが露見して、母親が学校に呼び出されたと言う。こんなときが、「100点以外の答はダメ」というときである。いい加減に説教しても、少しぐらい怒ってみても、80点では駄目、98点でも駄目である。
みなさんが、この状況に置かれている父親だとして想像してみてください。河合さんの回答は次の通りです。
このとき、父親がどのようにすべきかという模範解答はない。しかし、自分には今100点満点が要求されている。これしかない、という自覚があるかないかで結果は大いに違ってくる。自分のもっているだけのものを、全力をあげてぶっつけてみるのだ。そこにはじめて本当の対話が生まれる。家族の対話が必要などといっても、それほどいつも出来るものではない、ピンチ即チャンスを生かしてこそ可能である。
「模範解答」はないのです。ただし、「息子が窃盗したと世間に知られてしまうのはみっともない」という思いが、最初に去来して、それがトリガーとなっての「怒り」は、おそらく「対話」にならない、ということをお伝えしておきます。
「山あり谷あり」こそ人生であり、だからこそ「準備」の大切さを河合さんは指摘します。
人生にも、ここぞというときがある。それはそれほど回数の多いものではない。とすると、そのときに準備も十分にせず、覚悟もきめずに臨むのは、まったく馬鹿げている。ところが、あんがい、そのようなときでも90点も取ればよかろう、という態度で臨む人が多いように思われる。このような人が、自分はいつも努力しているのに、運が悪いと嘆くのは、ことの道理がわかっていないと言うべきであろう。
最後に河合さんは、「いつでも100点を取らぬと気がすまぬ人というのもいる」と、このエッセイをまとめてくれました。ホッとしますね。
いつも100点をとるために、だんだんと疲れてきて、一番大切な、「100点以外はダメ」というときは腰砕けになったり、うまく理屈をつけて逃げ出してしまったりするものである。それに、いつも100点を狙っている人は、不用な努力を払っている分だけ不機嫌になったり、他に対して攻撃的になったりし勝ちになるものだ。
100点はときどきでいいのである。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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