河合隼雄さんと小川洋子さんの紡ぐ「物語」に身を委ねていると…
『生きることは、自分の物語をつくること』の7番目の見出しは、「偶然」に気づくこと、です。最初の1ページでは、河合さんが、カウンセリングの臨床で、患者さんが治っていく過程で、さまざまな「偶然が起こる」ことを語ります。それは...
『生きることは、自分の物語をつくること』の7番目の見出しは、「偶然」に気づくこと、です。最初の1ページでは、河合さんが、カウンセリングの臨床で、患者さんが治っていく過程で、さまざまな「偶然が起こる」ことを語ります。それは...
今回から、『生きるとは、自分の物語をつくること』の第Ⅱ部に移ります。第Ⅰ部の「魂のあるところ」は、2005年12月15日に文化庁長官室で行われています。そして、この第Ⅱ部は、半年後の2006年6月15日に、同じく文化庁長...
(小川)先生は昔話ばなしやおとぎ話を研究されておられますよね。(河合)そうです。それらのお話はみんな、ホラだけどある意味本当なんですね。(小川)真理ですね。昔々あるところにあったという。(河合)白雪姫も、山姥も、ヤマタノ...
(河合)博士もルート君もいいけど、家政婦さんがまた面白かったですね。あの家政婦さんも、下手したら博士との恋愛関係になるでしょう。それがそうならない。(小川)はい。そこが彼女の利発なところです。それに、家政婦という仕事が大...
(河合)完全数というのも不思議ですね。約数の和がその数となるという。何でや、と思うね。(小川)あの不思議を知って感動しない人はいないと思います。神様の手帳に書いてあるという感じ。(河合)人間の生まれる前からこというオーダ...
(河合)博士の80分間の記憶というのは、何がキッカケで思いつかれたんですか?(小川)それはですね、江夏豊と関係があるんです。江夏の背番号28が完全数だということに気がついて、あ、野球を数学と組み合わせてみようと思ったんで...
(河合)『博士の愛した数式』(新潮文庫)を読ませていただきました。感激しましたよ、本当に。僕、もともと数学をやっていましたからね。(小川)数学科のご出身なんですね。(河合)ええ、だから余計に思いが深かったですね。それにね...
前回に予告した通り、今回から、小川洋子さんによる河合隼雄さんへの最後のインタビュー、『生きるとは、自分の物語をつくること(新潮文庫)』を取り上げ、コーチングに敷衍していこうと思います。 この本は、文庫本で151ページの...
今回で、綴ってきた『大人の友情』の全12テーマ・46話の解説は、最後となりました。テーマは「境界を超える友情」です。前話は「島への手紙」をタイトルに、「友情」には、異なる文化、さらに人間と他の存在との境界をも超え得る“大...
河合隼雄さんの最晩年のエッセイ集である『大人の友情』について、全12テーマ・46話を一つずつ取り上げ、コーチングを語ってまいりました。前回、最後のテーマである「境界を超える友情」の第1話(44話目)、「半歩の踏み込み」を...
河合隼雄さんの最晩年のエッセイ集である『大人の友情』は、コーチングを深く考えていくためのヒントが満載されています。1月19日に、この本を最初に取り上げて以降、毎日、一話ずつ解説を重ねてきましたが、12のテーマ・全46のエ...
『大人の友情』の11番目のテーマ、「友情と贈りもの」の第4話のタイトルは、「ここだけの話」という秘密、です。「贈りもの」が人の心理にどのような影響を与えうるのか? 河合さんは、「友情」という関係性に「贈りもの」が絡むと、...
『大人の友情』の11番目のテーマ「友情と贈りもの」の第3話は、「お返しと感謝の心」がタイトルです。冒頭で「金当」が解説されます。筆者にとって、初めて目にする言葉だったこともあり、「日本の贈りものと、その返礼」には、実にこ...
河合隼雄さんの『大人の友情』の11番目のテーマは、「友情と贈りもの」です。この第2話のエッセイは「贈りものの多様性」がタイトルです。その冒頭で、クライアントが河合さんのフィードバックによって、「気づき」を得るシーンが描か...
河合隼雄さんの『大人の友情』の11番目のテーマは、「友情と贈りもの」です。その第1話は、夏目漱石の『坊っちゃん』が取り上げられます。同僚の山嵐に氷水の代金一銭五厘を奢ってもらった坊っちゃんなのですが、夏目漱石のストーリー...