……ってなわけで、この話はフィクションです。

<承前>

だいたいが私は、嫉妬という感情がひじょ~に薄い。おそらくそれは育ちが良いからだろう(俗に言われる意味じゃなくってね!)。私はほぼ7歳まで、1人っ子だった。環境的にも家の外には出られないし、周囲はオトナばかりだったので、子ども同士の世界も無かった。猫や犬(裏の家の)や、虫や植物だけが友だちだ。

「戦後思想界の巨人」とリスペクトされる吉本隆明さんの長女で、漫画家のハルノ宵子さん執筆の『隆明だもの』に収録されているエッセイ<悪いとこしか似ていない>を取り上げています。今回も<承前>として書いてみようと思います。

前回のテーマは嫉妬でした。その感情は、人間誰しもが持ち得ている本質だと感じられますが、ハルノさんはどうも例外の部類にカテゴライズされるのかもしれません。その理由を自己分析している箇所を引用しています。

ただしハルノさんは、「嫉妬感情の薄さ」を善人的な捉え方をしていません。”観察と記述の鬼”としての矜持を感じさせる筆致です。環境がそういう自分をつくってきたと。もっとも、妹が生まれた時のことを次のように語ります。

妹が生まれた時、とにかく赤ちゃんというものは、存在だけでスターなので、お客さんたちにモテモテだったのには、ちょっとイジケたが、親もうまくフォローしてくれたと思うし、何せ7歳も離れているので、こちらも保護者気分だった。だからあまり嫉妬や競争する心が、育たなかったのだと思う。人は人、自分は自分でしかない。

「親もうまくフォローしてくれた」という言葉に注目したいと思います。子育てという行いは、人間の営みにとって極めて崇高な“業”であると筆者は考えます。そして、兄弟姉妹を持つ親にとって最も難易度が高いその“業”は、一人ひとりの子どもに対し、曇りなく平等に愛することができているか…なのではないでしょうか。

「個性を伸ばす」というのは、必ず唱えられるメッセージですが、日本の学校制度は、いつしか「偏差値」という数値によって評価するというシステムが、浸透定着してしまいました。明確な序列です。そこには「個性の重視」というシチュエーションは、存在していません。日本の多くの親は、いつの間にか「偏差値教」に染められてしまったのかもしれませんね。

兄弟姉妹の個性を深く理解し、その個性を伸ばそうとしっかり愛情を注いでいるのか… 自問自答が迫られているように感じます。「どうしてあなたは、みんながやっていることができないの?」という言葉を一度も発したことのない親は、この日本に果たしてどのくらい存在するのか…疑問が点滅します。

さて、当該エッセイのテーマともいえる「嫉妬」に戻しましょう。母親である和子さんが第一句集を出した時、前年に句集を出していた叔母(父の妹)から、「ページの組み方が自分のマネだ」「あの句は誰それのパクリだ」という、ほぼ言いがかりの手紙が届きます。ハルノさんは父親に相談すると……

「あんな句集出すからだ」とキタ。父が母の句集の出版を面白くなく思っていたのは、分かっていた。俳句を始めて、たかだか1、2年のシロウトが、(俳句では)名のある出版社から、名だたる人たちに、解説まで寄せてもらって、そんなマネするから嫉妬を買うことになるんだ……という反撃をくらった。
え~!? 嫉妬した方じゃなく、された方が悪いワケぇ~!?
私はギャラリーとしては厳しいから言うけど、お母ちゃんの句は、出版されて万人の目に触れても、十分に堪え得るレベルに達している。それに嫉妬なんてもんは、自己分析すればすぐに解体できる。人間として最も低くて単純な感情じゃないか。と反論するが、「イヤ、キミそれは違うよ」と、譲らない。

ハルノさんは、「どうして父親が戦後思想界の巨人とまでリスペクトされる人物になり得たのか…」、独自の分析を試みます。

なるほどねぇ(って、納得はしていないが)、父の原動力は、案外“嫉妬”にあったのかもしれない。父が漱石先生を評価したわけだ。

<悪いとこしか似ていない>は「承前」を重ね、4回ほど書き溜めてみました。最後の4行を引用し、完結とさせていただきます。

父と私はまったく違う(似たような思考法は、あるのかもしれないが)。人間性が、キャラが別人なのだ。家族はそれぞれ他人なのだから、「吉本家の人々」なんて、まったくの想像でしか書けない。
……ってなわけで、この話はフィクションです。


コーチング情報局を運営する株式会社コーチビジネス研究所では、企業を対象としたコーチング研修、ビジネスパーソンを対象としたビジネスコーチング、個人の方を対象としたライフコーチングを提供しております。その他、コーチングを学びたい方のためのコーチングスクールの運営、経営者やビジネスリーダー向けにセミナーを開催しています。興味や関心がございましたら、お気軽にご相談・お問い合わせください。

This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
Coach Business Laboratory, Inc., which operates the Coaching Information Bureau, provides coaching training for companies, business coaching for business people, and life coaching for individuals. In addition, we operate a coaching school for those who want to learn coaching and hold seminars for executives and business leaders. If you are interested or have any questions, please feel free to contact us for further information and consultation.

認定コーチ紹介サービス
ホームページ制作サービス
Certified Coach Referral Service
Web Site Creation Service