大脳生理学・脳科学の著しい発達によって、人間の精神・身体に生じる、さまざまな「不思議」が「科学的に証明」されるようになってきました。前回はその流れを綴っています。
フロイトやアドラー、そしてユングは、「科学的に解明される」前の時代に“新しい科学”としての「心理学」を提起し、それを「科学足り得よう」と、研究に挑みます。そうして20世紀の半ばころに、世界的な認知を獲得します。
一方で、“純粋科学”とされる大脳生理学や脳科学の知見が、精神に作用する「治療薬」を次々開発していくことで、「心理療法不要論」が問われるようになるのが20世紀の後半です。それが時代の成熟もあって、現在は「精神医療は“薬だけでは治らない”という認識が定着し、包括的で持続可能な治療モデル」が共有されています。バランスであり「異質の調和」です。
「不思議な現象を科学的に解明したい」、というのは人間に備わっている本能なのでしょう。科学の発達・進化は、そのことがモチベーションになっていることは確かです。「病は気から」という表現は、科学的解明以前から先人が使っていた「言葉」ですが、現在は「免疫の作用」として、科学的に証明されています。
筆者は「コーチング大百科」を綴るなかで、こうして「リベラルアーツ」を語っているのですが、今回は、次のような疑問の解明に向けて、生成AI（Copilot）と対話してみました。
＜プロンプトを意識した質問＞
私は「異質の調和」の重要性をますます実感しています。昔の人は「科学的には証明できない現象」を上手にメタファーにしているな、と感じます。例えば「病は気から」。現在は、病気になる要因として「免疫の関与」が科学的に証明されています。昔の人の「感覚」は、そのことの先取りです。科学では証明されていないことも、昔の人は「予言的なことば」をつくって、科学的探究の橋渡しをしていた、つまり知恵の発露です。さて、質問です。そのような科学への橋渡しをした「感覚的な予言」の事例をいくつか紹介してください。
生成AIは「予知夢」などを挙げてくれました。「夢分析」は、ユングが取り組んだテーマであり、当該「コーチング大百科」では＜ユングが語り、河合隼雄さんが紐解く「夢」とは？＞のタイトルで取り上げています。Copilotは、その具体的事例の紹介です。実に不思議な現象です。
昔の人の「感覚的な予言」が後に科学で裏付けられた事例として、予知夢や直感的な言葉が未来の科学的発見と響き合うケースがいくつもあります。代表例は「病は気から」「リンカーンの暗殺予知夢」「タイタニック沈没の予知」などです。
「病は気から」
古来から「心の状態が体の健康に影響する」と言われてきました。科学的には後に「ストレスが免疫機能を低下させる」「心身相関」が証明され、心理的要因が病気の発症や回復に影響することが明らかになりました。これは昔の人の直感が科学に先行した典型例です。
エイブラハム・リンカーンの暗殺予知夢
暗殺の10日前に「自分が暗殺される夢」を見たと証言しています。夢の中で棺に入った自分を見たという逸話は有名で、現在では「潜在意識が危険を察知した可能性」と心理学的に解釈されています。
タイタニック号沈没を予知した乗客
出航前に「船が沈む夢」を見て乗船を取りやめた人の記録があります。科学的には「直感や不安が夢に反映された」と説明されますが、結果的に未来を言い当てた形になりました。
古代の予言と科学的裏付け
古代ギリシャの「デルフィの神託」では、巫女が未来を語る儀式が行われました。後に「地下から噴出するガスによるトランス状態」が科学的に説明されました。
まとめ
・昔の人の「感覚的な予言」は、科学的に証明される前の直感的な知恵。
・「病は気から」は免疫学で裏付けられ、予知夢や直感は心理学・神経科学で研究対象となっています。
・科学は「証明」を与えますが、その前に人間の感覚が「予言」として橋渡しをしていたのです。
こうした事例は、河合隼雄さんのいう「異質の調和」にも通じますね。理系的な科学と、人間の感覚的な知恵が補い合うことで、より深い理解に至るのだと思います。
古代ギリシャの「デルフィの神託」も登場します（デルポイ・デルフォイとも呼称）。「コラム」で＜コーチングとメタ認知、そしてメタ・コミュニケーション＞のタイトルで取り上げています。
今回は『仏教が好き！』からスピンアウトした展開となりました。コーチングは予定調和とならないところに意義が見出せるので、自然な流れとして受けとめていただくと幸いです。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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