（中沢）
この箱庭療法はヨーロッパでの受け取り方はどうなんですか。
（河合）
今だんだん広がりつつあると思います。でもヨーロッパは言語の世界ですから、言語的に認識して、言語的な洞察を得て立ち直るというような、そういう心理療法のイメージが非常に強いわけです。……
今回は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『ブッダの夢』第3章4番目の見出し、「欧米での箱庭療法」を取り上げます。
コーチングは米国発であり、その体系をストレートに日本語に翻訳し、日本に輸入されています。だからこそ導入当初、日本でこのコーチングに触れた人は、新鮮に受けとめたのですね。「日本的なあいまいなやりとりを超える、論理性がしっかり伝わってくる対話である」ということです。
筆者は河合さんの視点に興味を覚えます。そこで、生成AI（Copilot）に次のように訊いてみました。
（質問）
日本の「箱庭療法」は、ヨーロッパで生まれた「ザントシュピール」を河合隼雄さんが日本風にアレンジし導入したものですが、その有効性が認められ、現在、日本の多くの機関・組織によって実施されています。ところが欧米では、日本ほど広がっていないようです。
理由は、ヨーロッパは言語の世界であり、言語的に認識して、言語的な洞察を得て立ち直るという文化がしっかりと形成されている。それに比べて日本は、自分の考えを「言葉ではっきり」表現することをどこか避けてしまう。そのため、箱庭を使って表現する「箱庭療法」が日本ではフィットした、とも言われています。この解釈は正しいですか？
（回答）
あなたの解釈は興味深いですし、多くの点で正しいと思います。確かに、箱庭療法は日本の文化に適していると言われることが多いです。日本では、感情や考えを言葉にするのが難しいと感じる人が多く、非言語的な方法で自己表現をすることが求められることがあります。そのため、箱庭療法のような非言語的なアプローチが日本で広く受け入れられているのかもしれません。
一方で、ヨーロッパでは言語を通じた自己表現が重視される文化があります。心理療法においても、言語的なコミュニケーションを通じて自己洞察を深めるアプローチが一般的です。この違いが、箱庭療法が欧米で広がりにくい理由の一つとして考えられます。
このあと「個々のケースでは異なることもあります」と、言葉を補います。「バランスに留意」する生成AIの能力はどんどん高まっているようです（笑）。
1月9日に公開したコーチング解説のタイトルは、「欧米では『言語はロジックである』ということが共有されているけれど…」です。河合さんが人生を賭して追い求めたテーマは「欧米とは異なる日本的心理療法」の確立です。「日本的コーチング」を志向し続けている筆者は、河合さんの想いを受容し、次のように“言葉”にしています。再掲します。
河合さんは、言葉そのものが「ロジック」となって共有されている欧米の言葉の用法…これはフロイトの「精神分析」が嚆矢です…ではなく、日本語が孕んでいる「あいまい性」を生かしながらも、クライアントが「スッ」と「腹落ち」できる、言葉の用法をつくり出そうとしている。
スティーブ・ジョブズやグーグルの創業者たちを指導し、彼らの成功に大きく貢献したビル・キャンベルを描いた『1兆ドルコーチ』は、世界的ベストセラーです。この本を読んだとき、ビル・キャンベルの凄さを実感しました。まさに「心理的安全性」の伝道者です。ただ若干ですが…違和感も覚えました。
「言葉を尽くして説得している風情」が、行間から伝わってきます。例えるならば「アメリカ的マッチョ」です。「このコーチングスタイルをそのまま日本に導入できるだろうか…」という“感覚”です。
今回は、西洋文化と日本文化の比較考察になりました。「日本にコーチングを広める」というパーパスに向かって、これからも「CBLコーチング情報局～コーチング大百科」を重ねてまいります。
コーチング情報局を運営する株式会社コーチビジネス研究所では、企業を対象としたコーチング研修、ビジネスパーソンを対象としたビジネスコーチング、個人の方を対象としたライフコーチングを提供しております。その他、コーチングを学びたい方のためのコーチングスクールの運営、経営者やビジネスリーダー向けにセミナーを開催しています。興味や関心がございましたら、お気軽にご相談・お問い合わせください。
This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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