
(河合)
それでも、この箱庭が作られるまでに、一年ぐらい言葉で治療していますが、進まないという感じでした。
(中沢)
その前から、河合先生は箱庭療法を取り入れてたわけですか。
(河合)
実践してたけど、なぜかやっぱり、作ってくれと言えなかったんです。
(中沢)
どうしてですか。
(河合)
来るのさえ大義そうだったわけですし、気軽に箱庭やってみなせんか、というようなことは言えなかったのです。
今回は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『ブッダの夢』第3章3番目の見出し、「夢の治療から箱庭療法へ」を取り上げます。その書き出しを引用しました。
いかがでしょうか? カウンセリングとコーチングの対象とするクライアントは、基本的に異なります。カウンセリングは、「精神的な病によって日常生活に齟齬をきたしている情態を脱すること」がゴールです。
一方、コーチングは、「コーチとの対話によって、クライアント自身がテーマを見出し、ゴールを定め、そこに向かってパフォーマンスの向上を実現する」ということになります。カウンセリングは「マイナスの状態をゼロに戻す」。コーチングは「ゼロからスタートし、プラスの幅を大きくしていく」という違いです。
加えて、カウンセリングには必ず「終わり」があります。つまり、「終結」そのものがゴールなのですね。
コーチングもそのスタートは、たとえば「6ヶ月間など期間を定めて」契約しますが、「終わる」必要はまったくないのです。コーチングの有効性をクライアントが実感できたことで、何年も継続してコーチが伴走することは、「普通に」ありますから。
カウンセリングの源流は、フロイトの「精神分析」です。医者(先生)であるフロイトが患者(patient)を治してあげる、という枠組みが明快でした。その時代が長く続くわけですが、そのドグマともいえるフレームを変えたのがカール・ロジャーズです。「patient」ではなく「client」と呼称を改めます。clientの直訳は「顧客」です。カウンセリングやコーチングでは「来談者」と訳されるのが定着しています。
さらにロジャーズは、「カウンセリングは医者の専業だ」という固定化された認識を、大変な格闘を経て「医者以外もカウンセリングをやっていい」、と世の中の価値観を変えたのです。実際に河合さんは医者ではありません。コーチングの誕生は、「ロジャーズのカウンセリング革命」が母体となったことが理解されます。
引用にある河合さんの言葉をしっかり読み込むと、河合さんが「とても深くクライアントに寄り添っている」ことが伝わってきます。クライアントを全人格的に受けとめているのですね。ではなぜ箱庭を始めることになったのか… 冒頭の引用の続きです。
ところが、夢の中でおもちゃで遊んでいる夢が出てくる。そこで、やりませんかと言ったんです。それまではやっぱりよう言わんかったです。前に座っておられるというだけで、こちらがしんどくなります。
(中沢)
気持ちはよくわかります。
(河合)
ほとんどものを言われない。それでも来られるわけです。
「箱庭療法」は、その状態が1年続いた後に開始されます。そして6ヶ月を経てクライアントは「完全」に治癒し、終結を迎えました。ものすごい時間を河合さんはクライアントと共にあった、ということです。河合さんの「待つ力」は、スゴイ!
コーチングのクライアントは「健常な人」を前提としています。つまり、普通にコミュニケーションができる人です。このことはカウンセリングとはまた「異なった深みのある世界」です。普通の人は、「ごまかすこと」「嘘をつくこと」が出来る人ですから。
クライアントがコーチに違和感を覚えていても、「すばらしいコーチングをやっていただき、本当にありがとうございます」という言葉に、「騙されない五感」を体得していることが、プロコーチの必須条件です。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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