鷲田さんの「臨床哲学」は、その中心に「聴くこと」が据えられている。これも、私としては、大変嬉しいことだ。何しろ、私は「臨床心理学」の根本に「聴くこと」があると、かねがね主張してきたところである。これはどうしても、「聴くこと」について鷲田さんと話し合ってみたいと思った。
前回より、河合隼雄さんと、哲学者で「臨床哲学」を提唱する哲学者の鷲田清一さんの対談をまとめた『臨床とことば』を取り上げ、「コーチングの語り」を始めています。冒頭で、最初の見出し「臨床の知」にある、河合さんが鷲田さんと「どうしても話し合ってみたい」と感じた理由のところを引用してみました。
「実践の知」であるコーチングは、専門的なスキルが求められます。「CBLコーチング情報局」では、そのスキル体系の一つひとつを、詳述しています。筆者が同書を手に取り、ページをめくると、いきなり「“聴くこと”が最重要の“知”である」、という「ことば」が飛び込んできたので、感激しました。「CBLコーチング情報局」は、「“傾聴”はスキルを超えたスキル」であると、捉えます。「わが意を得たり」と、この『臨床とことば』を、コーチングの視点で「語ってみたいと思った」わけです。
最初の見出しである「臨床の知」に続く、2番目の見出しは「聴くこと」です。その書き出しは、「昔から、読み、書き、そろばん、ということばがあって、人間にとって極めて必要なこととして考えられている。…」です。ここに含まれていない「聴く」を河合さんは、どのように捉えるのでしょうか?
それでは「聴く」ことはどうなっているのだろう。それについて考えてみる前に、私のカウンセラー、または心理療法家としての経験に照らして考えてみるとどうなるだろうか。われわれもこの仕事をはじめた頃は、忠告したり助言したりしたものだったが、それらがいかに「正しい」ことであっても、それと共に、クライアントのことばに耳を傾けて聴くことが有効であることを身をもって体験してきた。
コーチングも同じです。プロコーチも、多くのセッションを重ねていくと、「傾聴」の重要性を「身をもって」体験することになります。
心理療法を実際に行っている者の間では「聴く」ことの重要性はよく認識されるようになった。角力(すもう)では「押し」が基本であり、「押さば押せ、引かば押せ」と「押し」に徹することを教えるようだが、それをもじって、大学院生に対して、「話さば聴け、話さなくとも聴け」と言ったこともある。相手が沈黙していても、沈黙の背後にあることばを聴こうとするほどの態度が必要だということである。
(株)コーチビジネス研究所は、プロコーチの養成に力を入れています。「傾聴」については、特に時間を割いて、その重要性を説いています。
2番目の見出しである「聴くこと」の最後に綴られる、河合さんの語りを引用し、3番目の見出しである「言語とイメージ」につなげていくことにします。
このように実践を通じてわかってはいるのだが、それを他領域の人達に説明するのは、あんがい難しいと思っているとき、「臨床哲学」を標榜する鷲田清一さんが「聴く」ことの意義について、哲学者の立場から論じられた。これは、われわれ心理療法家にとって非常に有難いことであった。というわけで、本書のような対談の機会も、私にとっては渡りに船という感じであった。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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