河合隼雄さんの『大人の友情』の26話は、7番目のテーマである、「碁がたき、ポンユー」の3話目である「家族とゲーム」です。「家族関係は崇高な“仕事”である!」と、捉える河合さんですから、このエッセイも「家族とは?」の解明に向かって筆が躍動しています。
家族関係もその根っこに友情がはたらかないと、うまくゆかないと思っている。夫婦、親子、それらの関係はかけがえのない特別なものだが、血縁の関係とかかわりのない友情というものがそこに加味されていないと、窮屈になってくるものだ。そして、家族間の友情を育てる一つの方法として、碁、将棋、トランプ、麻雀などの、勝負を争うゲームがあると思う。
河合さんは、家族の間でもゲームに負けると悔しいし、それに、冷やかしや悪口がまじってくると、「憎い」とか、「一生口をきくか」とまで感じるものの、少し時間が経つと仲が戻ってくるのが、家族のいいところだ、と言葉にします。
筆者はここで、「喧嘩するほど仲がいい」という言葉を想起しました。「家族」は忖度の無い関係性(が一般的)ですから、喧嘩が繰り返されるのも、また家族です。河合さんは、「なぜ家族は仲直りすることが出来るのか?」… その理由を次のように紐解いています。
他人とのつきあいでなら絶交になるところでも、仲直りのきくのが家族というものである。このようなことの繰り返しのなかで、前述したような「致命傷を負わせるような言葉」を避けるための学習が行われているのである。実際、どのような悪口がどのようなときに許容され、どのようなのが致命傷になるのかは、言うなれば「体で覚える」より仕方がないのである。経験の積み重ねだ。
CBLコーチング情報局は、アドラーを「コーチングの父」として捉えます。その講演録である『人間の本性 人間とはいったい何か(長谷川早苗訳)/興陽館』の中に、次の一節があります。
子供の生活には、未来への準備をはっきりと示す遊びという現象があります。親や教育者は、遊びを気まぐれな思いつきととらえてはいけません。遊びは教育を補助し、精神や空想や適応能力を刺激するものです。遊びのなかには決まって未来への準備が示されています。
「子どもの頃、遊びやゲームに熱中したことで、社会に適応していく感覚を“身体で覚えた”ような気がする…」と、大人となった多くの人が、振り返っているのではないでしょうか。
思い出してみると、私が子どもの頃は、碁はしなかったが、将棋、トランプ、麻雀などの遊びを家族で実によくしたものである。それに軍人将棋というのがあったが、これを兄弟で考えて改良し、新たに作製して、毎日のようにしていたものだ。
ここで、河合さんの兄弟について触れておきます。Wikipediaからの引用です。
霊長類学者の河合雅雄は兄(三男)。7人兄弟で、長男が仁(外科医)、次男は公(篠山市西紀町の内科医)、3番目が雅雄、4番目が迪雄(歯科医)、5番目が隼雄、6番目が逸雄。一人は夭折している。
河合さんは、エッセイの最後で、兄雅雄との思い出を語ります。引用して、今回の解説を終えることにしましょう。
「全京大生のなかで、ボクらほど勉強せえへん奴はおらへんやろな」と、兄の雅雄とよく反省したものだが、私にとっては、この間の遊びを通じて行った「人生勉強」が、現在の専門の臨床心理学の実際のためには、大いに役立っている、と言うこともできる。さまざまな「人間関係」の実践的研究をしていたのである。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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