アドラーは「子育ては相互関係である」と語ります!

現代に生きるアドラー心理学』の中に、つぎのような一節があります。

六歳と五歳の二人の兄弟がいた。二人はつねづね悪い言葉を使ってみたくて、兄は「こん畜生め」という言葉を、弟は「ケツ野郎」と言える日を待ち望んでいた。そしてとうとうその日を迎えた朝、二人は母親に朝食の用意ができたことを告げられたあと、あわててキッチンに駆け込んでテーブルについた。母親が二人に朝食は何が欲しいかと尋ねた。すると六歳の兄は、「シリアル(朝食用の穀物加工食品)を出せ、こん畜生め!」と間髪入れず答えたので、母親に平手打ちをくらい、恥ずかしくて泣きながら自分の部屋に駆け込んだ。母親は恐ろしい形相で今度は弟の方に何を食べたいか聞いた。すると弟はふるえる声で、「シリアルだけはいりません、ケツ野郎……」と答えた。

思わず笑ってしまいます。
この母親が日ごろ、どのような態度で二人の兄弟に接しているのか定かではないのですが、いつもの母親とは違う厳しい態度に接して、二人とも驚き、恐怖を覚えたのです。そして最後の弟の言葉である“ケツ野郎…”(この笑い話の“オチ”ですね)については、母親の恐い態度の意味するところを「シリアルを食べてはいけないのだ!」と受けとめた、ということですね。子供たちは、自分たちが“下品な言葉”を発しているという認識をそもそも持ち合わせておらず、大人となった母親と子供の視点のズレを見事に活写しています。

アドラーは「子育てとは相互関係である」として、“立場”では捉えません。親は子どもに対して教育を施す“立場”ですが、「子どもと同じ目線で子ども一緒になって同じ感覚で楽しめる親」こそが、「真に子供を成長させる親」なのだと、言っているのでしょう。
アドラー心理学では「世の中は勇気をくじく要素に満ちている」、と捉えます。

世の中には、人々にやる気を失わせる非常に多数の要素が存在します。社会的にはそのような状況は、戦争やそれから生じる脅威、貧困、飢餓、犯罪、多種多様な形の差別として現れ、人々はそれらの問題に対する解決を求められます。家族のレベルでは、育児活動における親の期待、要求、モデリング、そしてきょうだい間の競争が隠れた原因として子供たちの勇気をくじきます。教育システムはそれ以上に子どもたちの勇気をくじいています。こうした勇気くじきの影響を受けながら、子どもたちは、エリック・バーンの言葉でいう、「勝者」(「プリンス」もしくは「プリンセス」)、あるいは「敗者』(「カエル」)として育つのでしょう。

アドラーは、「勇気づけ」を社会的関係と教育に不可欠なものである、と強調します。ただし、アドラーの「勇気づけ」は、単純な褒めとは異なります。アドラーの視点の深さに改めて感じ入るところです。


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