CBL情報局では、臨床心理学者のカール・ロジャーズを「コーチングの母」と捉え、その姿を取り上げています。今回のキーワードは、そのロジャーズの「受容」です。おそらく、「受容すること」について、世界で最も深く極めつくした人物がこのロジャーズです。
「ロジャーズの3原則」とは、1.自己一致、2.無条件の肯定的配慮 3.共感的理解、の3つです。生涯にわたって膨大な論文を発表したロジャーズですが、そのなかの33論文を厳選してまとめた『ロジャーズ選集~カウンセラーなら一度は読んでおきたい厳選33論文(上・下)』のなかに、次の一節があります。
変化のための風土を作るために重要な第2の態度は受容(acceptance)であり、心を寄せること(carling)、あるいは尊重すること(prizing)といってもよいが、つまり無条件の肯定的配慮(unconditional positive regard)である。クライエントがその瞬間にどういう状態であっても、セラピストがクライエントを肯定的に、非判断的に受容する気持ちを経験しているならば、治療的な動きあるいは変化がより起こりやすくなる。クライエントのなかにいま流れている感情が、混乱であれ、憤慨であれ、恐怖であれ、怒りであれ、勇気であれ、愛であれ、プライドであれ、クライエントがその感じになりきれることにセラピストが寄りそおうとする気持ちが、受容には含まれている。それは非所有的な(non possessive)思いやりである。セラピストがクライエントを条件つきでなく全面的に尊重するとき、全身的な動きが起こりやすい。
ロジャーズはこの言葉通り、クライエントに対し徹底的に無条件で寄り添います。同書では、そのことが様々のシーンで描かれます。特に晩年は、精神的な病を抱える人たちに対する「クライエントセンタード」から、地球上全ての人を対象とする「パーソンセンタード」に広がっていきます。世界の多くの国々に自ら足を運び、講演し、そして実際のセッション(まさにコーチングセッションです)を数多く重ねていきます。
冷戦下のソ連にも赴きます。そして宗教対立がこれほどまで残酷な環境を現出させてしまうのか…と世界中の人びとが嘆き、そして悲しみを共有した、北アイルランドのベルファストの対立メンバーを集めてのセッションも実施しています。
それら功績をたたえ、ノーベル平和賞候補にノミネートされたと言われています。
これらのセッションの間に、反目し合っているふたつのグループ間の憎悪、疑惑、不信は非常に明白であったし、ときには隠微なかたちをとっていたが、徐々に、よりオープンに表現されるようになっていった。その人たちの話した怨恨と偏見は、彼ら自身のものだけではなく、数世代にもわたるものを代弁していた。そのグループでのやりとりは、たった16時間にすぎなかったが(選者注釈 : これは原著者の記憶違いである。実際は、3日間24時間であった)、その信じがたいほどの短い時間、こうした何百年にもわたる憎悪の感情が弱められたばかりではなく、いくつかの点では深く変化したのである。
それは、促進的な態度が、開放的な表現を可能にする雰囲気をつくりあげることができる、という証明になるものである。この種の雰囲気のなかでの開放的な表現は、コミュニケーションをすすめる。よりよいコミュニケーションは、非常に多くの場合理解をもたらし、理解は古くあった多くの障壁を洗い流してしまう。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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