今回のキーワード解説は、『<心理療法コレクションⅤ>ユング心理学と仏教』に寄せられた「まえがき」を紹介することから始めます。
本書は河合隼雄さんの著作ですが、この「まえがき」は、河合さんと親交のあった、米国の精神科医でありユング派分析家のデビッド・H・ローゼン教授(精神医学、行動科学)が寄せています。
河合は、その感動的でなおかつ刺激的な個人的体験談ならびに患者たちの物語によって、私たちの心に「触れた」。彼はわたしたちの「思考能力」をふくらませ、新たな深みと新たな高みへとみちびいてくれた。最終的に、私たちの「意識」は、すべてであり無でもあるという領域へと拡大された。わたしは、河合に頭を垂れる。
<心理療法コレクション>シリーズは、河合さんへの追悼の意を込めて全部で6巻ほど発刊されました。今回から紹介するシリーズⅤの原典は、米国での講演録(英語)です。河合さん自らが「あとがき」で次のように解説しています。
本書はテキサスA&M大学において、フェイ・レクチャーとして四回の連続講演を行った際に用意したⅠ~Ⅳ章に、英語版出版の要請を受けて書いた「プロローグ」、「エピローグ」、ならびにD・H・ローゼンによる「まえがき」の日本語訳、および日本の読者のために書いた「フェイ・レクチャー紀行」を加えて成立している。(英語版は、その読者の理解を助けるため、日本語版とは少し変えたところもある。)…… 1995年10月
本書からは、米国人に「日本的なもの」を、「仏教とのかかわり」を通して伝えようとした河合さんのチャレンジャブルな姿勢が、ひしひしと伝わってきます。「フェイ・レクチャー紀行」のなかで、河合さんは次のような一節を織り込んでいます。
次回のキーワード解説から、河合さんのその想いを紐解いてみようと思います。
何によらず「手放し」ということは怖い。キリスト教と切り離して自然科学を取り入れた日本では、テクノロジーが「手放し」で横行したようなところがある。日本人は「自然を愛する」国民だなどと偉そうに言いながら、自然破壊の程度では世界有数の列強国になっている事実を、どう説明するのか。「仏教」「神道」あるいは「日本教」を背景として自然科学を取り入れることは、どのような結果をもたらすのかについて、日本の自然科学者の発言は皆無に近いのではないか。そして、日本の宗教家は科学に関してほとんど無関心である。あるいは、無知と言ってもいいだろう。二十一世紀の日本を考えていく上で、このことは私は非常に重要なことと思っている。今後も止まることを知らず発展していく自然科学とテクノロジー。それの裏打ちとなる宗教はどうあるべきかを、われわれは真剣に考える必要がある。実は私の仏教に対する関心はそんなところに根ざしている。(238ページ)
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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