
(河合)
このインディアンの話を読むと、夫婦喧嘩もなかなか面白いといって、男と女のすごい戦いがあるでしょう(笑)。
(中沢)
アメリカ・インディアンの神話が面白いところは、なにかの教訓があるからですよね。その教訓が、何ていうのかな、道徳ではなくて、妙に抽象的な教訓です。ところがドイツの民話なんか見ると、それぞれに教訓があるわけですけど、なんかいやに道徳的なんです。
(河合)
そうそう、そうそう。
今回は、河合隼雄さんと中沢新一さんの対談『ブッダの夢』の第4章「アメリカ・インディアン神話の潜在力」の5番目の見出し、「人間同士の適正な距離」を取り上げます。引用は、その書き出しです。
この後、中沢さんは「アメリカ・インディアンの教訓は、人間同士が正しく暮らすためには適切な距離をどこに求めるかとか、そういう抽象的な知恵みたいなことしか語らない」と、言葉にします。対して、ドイツの民話は道徳的であると…
「ドイツの民話」という言葉はこの箇所のみ登場しますが、筆者は、『グリム童話: 子どもに聞かせてよいか』(野村泫)を読んだときの鮮烈な印象が想起されました。少し脱線しますが「ドイツ民族とは?」について、考えてみようと思います。
実は、日本で「絵本」になっている『グリム童話』は、残酷度をかなり薄めて、日本人の感性に合うように(大人目線ですが…)編集されているのがほとんどです。
解説の坂内徳明さんの言葉が、カバーに記されています。
森へ子供を捨てる「ヘンゼルとグレーテル」、殺してしまう「白雪姫」…… 子どもたちはどうしてこんな残酷なグリム童話が好きなのだろう? リューティー、プロップなどの文芸学、さらにフロイト、ユングなどの心理学の成果を縦横に駆使しながら、あくまで残酷で、この上もなく魅力的なグリム童話の人気の秘密を丹念にたどり、文学として総合的に論じた異色の童話論。グリム童話をそのまま語ることにとまどいを感じているお母さん必読の一冊。
ドイツに音楽留学した先輩が語ってくれことも思い出しています。「ドイツの森」が、グリム童話を創り、重厚なドイツ音楽は「Wald」の深い森がその背後にある、と……
そこで、生成AI(Copilot)に、次のように質問してみました。
(質問)
『グリム童話』を読むと、ドイツの深い森が頻繁に登場します。ドイツの民族性は、この深い森によって形成されている、と聞いたことがあります。ドイツ語の「Wald」であり、この響きが、魔女であるとか、とにかく神秘性を抱えているドイツ人の心を象徴しているようにも感じます。この捉え方は正しいですか?
(回答)
興味深い視点ですね! 確かに、『グリム童話』に頻出する深い森(ドイツ語で「Wald」)は、ドイツの自然環境と文化に深く根ざしています。この森の象徴性については、多くの研究や解釈がなされています。
歴史的に見ても、ヨーロッパの中でドイツは森林が広がる地域であり、これが人々の生活や想像力に影響を及ぼしてきました。森は食料や木材を得る場所であると同時に、未知や危険の象徴、そして神秘や超自然的存在(例:魔女や妖精)の住処とも捉えられてきました。
『グリム童話』の時代背景を考えると、産業革命前の農村社会では、自然との密接なつながりが生活の一部でした。このような背景が、深い森に対する畏敬の念や神秘性を育んだと考えられます。特に「Wald」という言葉は音そのものに深みがあり、多くの人にとって霊的・感情的な響きを持つこともありますね。
さらに哲学的にも、ドイツロマン主義の中で森は「自己との対話」「自然と調和する精神の象徴」として描かれることが多く、ドイツ的な精神性を反映していると言えるでしょう。
少し長い引用となりました。「インディアンの神話」から「ドイツ民族の精神性」に思考が遷移してしまいましたが、コーチングはリベラルアーツですから、「自由学芸」とも訳されるリベラルアーツの視点で、今回の解説を受けとめていただくと幸甚です。
次回は『ブッダの夢』に戻り、「人と人の距離感」について考えてみようと思います。
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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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