「静」のイメージ「禅問答」は、火花を散らす言葉のぶつかり合い!

こうして対話の可能性……異文化間の対話であれ、同一文化圏内での、あるいは同一言語内の対話であれ……は、たんに理論的に興味ある問題であるばかりでなく、いやそれにもまして、今日の世界に生きる我々の存在そのものに関わる重大な問題であることが、ややおわかりいただけたと存じます。そしてこの問題について、現代の言語理論や言語哲学が決定的な解答を持ち合わせていないことも。

井筒俊彦さんの『意識と本質』の「対話と非対話~禅問答についての一考察」を取り上げ、コーチングの思考を始めています。引用は、全32ページの内容の12ページ目に登場する語りです。「話し言葉」になっているのは、1977年にテヘランで開催されたシンポジウムに登壇した井筒さんの講演を再現したものだからです。ちなみに、英語の演題は「BEYOND DIALOGUE~A ZEN Point of View」です。井筒さん自らが「日本語」に翻訳し、同本は刊行されました。

「異文化間+同一文化圏内+同一言語内」で交わされる対話…つまり、「言語を媒介とするすべてのコミュニケーションには、さまざまの重大な問題が存在しているが、現代の『言語理論・言語哲学』では、その処方箋は見出すことができない」、ということを講演の1/3の時間を割いて語っているのですね。つまり「序破急」の「序」を話し終え、「破」が展開する、そのタイミングの井筒さんの言葉を引用しています。続く「破」の始まりはというと…

以上、私は禅になんら関係のないことがらを長々と述べてまいりました。それは、一つには、このシンポジウムの主題である異文化間の対話が可能か否かという問題の討議に直接参加してみたいという気持ちから出たことでもありますが、実はそれよりもむしろ、対話についての禅のアプローチと根本的に違った言語理論的立場を述べることによって、対照的に禅の立場をよりよく説明できるのではないかと考えたからであります。

イスラム圏のイラン・テヘランで行われたシンポジウムで、井筒さんは「禅」を語ります。チャレンジャブルな井筒さんです。「静」として捉えられることの多い(一般的イメージ)「禅問答」ですが、そこに内在する「パッション」を、井筒さんは冒頭で語ります。「つかみ」ですね(笑)。

対話、すなわち二人の人間の間に行われる言葉のやり取りは禅においても古来「問答」という形で極めて重要な精神形式的役割を担ってまいりました。ある意味で対話は禅の本質的部分であります。禅というとすぐ沈黙をお考えになるかもしれませんが、禅は決して黙っているだけのことではありません。沈黙の中から言葉が出てくる。出てきた言葉は分裂し、二つに分かれてぶつかり合う。火花を散らすこの言葉のぶつかり合い、言葉のやり取り、それが禅の理解する意味での対話です。二人の対話者の間で果たして意味が伝達されるだろうか、そんなことははじめから問題にもなりません。そんなことが問題にもならないような次元で言葉が飛び交い、対話が行われるのです。それでは一体何が問題なのでしょうか。どうしてそんな特異な形で言葉が交わされるのでしょうか。これからそれをやや理論的に考察してみたいと思います。

ワクワクしますね。「禅問答」ということばで、私たちは何をイメージするでしょうか。試しに生成AI(Copilot)に、次のように質問してみました。筆者として「高度な質問」であると自負しています(笑)。

(質問)
「禅問答」の本質の深さは、とりあえず脇に置いて、私たち普通の日本人がこの「禅問答」と聞いて、イメージする世界を、わかりやすく言語化していただけますか? 繰り返しますが、「禅」の深みはスルーしたうえで、説明してください。

(Copilot氏の回答)
「禅問答」という言葉を聞くと、多くの人が思い浮かべるのは、難解で不可思議な会話や、矛盾するような問い答えの世界かもしれませんね。一種の「謎解きゲーム」のような雰囲気で、例えば、「手を叩く音は片手でも聞こえるか?」などの問いが典型的です。それは、「論理的な答え」を期待するのではなく、考え方や視点を変えるきっかけを提供するようなものです。
また、禅問答には古風で静けさのある寺院や僧侶の姿が連想されることも。雨が降る庭や、深い山奥の静寂の中で交わされる、知的かつ哲学的なやりとりのイメージが心に浮かぶことがあります。この「普通の日本人のイメージ」にある禅問答は、実際の禅の教えを体現するというよりは、ミステリアスで詩的な響きを持ったものとして捉えられていることが多いですね。

Copilot氏の知能の高さを感じます。なかなかの回答です(笑)。
少し脱線しました。次回は、井筒さんの「理論的考察」をしっかりと味わってみようと思います。


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This article was written in Japanese and converted into English using a translation tool. We hope you will forgive us for any inadequacies.
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